食べ物と私

食べます。

思い出のファミレス

この四月、この街に引越してからあるチェーン店との距離が近くなった。

そう、誰もが一度は耳にしたことのあるであろう、『サイゼリヤ』だ。

安くて美味しいサイゼリヤは私のお気に入りである。

 

と言っても、私が初めてサイゼリヤに行ったのは四年前、大学に通い始めてからである。

なぜなら私の地元にはサイゼリヤが無かったからだ。

 

多分、地方出身の人は私と同じような人が多いのではないかと勝手に思っている。

ツイッターやテレビ番組で名前こそ口にするが、そこに辿り着くまでの交通費で一食分を余裕で賄えてしまうのだ。だったら近くのちょっと高い店に入った方がいくらか幸福感は高いだろう。

それに、安いファミレスが地元に無いわけでもなかった。

 

都会出身の人が中高時代をサイゼリヤで過ごしたように、私はその時代を『Joyfull』というファミレスに捧げてきた。

 

ジョイフルもチェーン店のファミレスである。

幼い頃こそ『ガスト』や『COCO'S』と同じようにジョイフルも有名なファミレスかと思っていた。

しかしそれは井の中の蛙だったようで、ジョイフルはサイゼリヤと入れ替わるようにしてめっきり姿を消してしまった。

友達に聞いてもあまりピンと来ていない人が多く、そこで初めてジョイフルは一部だけで有名なファミレスであることを知ったのだ。

 

家の近くに一軒、もう少し行った所へ一軒、高校の近くに一軒。

特別安かったわけでも、特別美味しかったわけでもない。

それでも行けば絶対に誰か知り合いと出会ってしまう、ただただ賑やかな場所だった。

 

少しの名残惜しさを残しつつ、乗り換えざるを得なかったサイゼリヤ

 

ここも度肝を抜かれるほどの美味しさではなかった。が、安くてビックリしたのは覚えている。

当時サイゼリヤが初めてと言う私に驚き、友達は沢山の料理を注文してくれた。

正直ちょっとビビっていた私だったが、大人数だったことも相まってか、はち切れそうなお腹に対してお会計は千円にも満たないくらいで済んでしまった。

 

新しい場所で、新しい友達と。それでも何となく地元の空気を思い出してしまった。

不安定な四月に、ファミレスは私を少し安心させてくれたのだ。

 

安くてどうしても選んでしまっていたのだが、最近はようやくミラノ風ドリアの呪縛から解放され色々なメニューに手を出せるようになってきた。

今日もその波に乗って、何度か頼んだことのある野菜のソースがついた鶏のグリルではなく、チーズのたんまりかかった鶏肉を注文してみた。

 

惜しみなく乗っけられたチーズと鶏肉の満足感もさることながら、付け合わせのポテトとコーンも嬉しい。

 

鉄板でカリカリになったチーズまでしっかりと堪能しつつ、地元へ帰ったら、またジョイフルにも行ってみようと思うのだった。

 

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