朝ごはんに、私は大体卵を使う。
和食でも洋食でも、なんとなく卵は朝に欠かせないイメージなのだ。
しかし、洋食の場合、卵には何らかの加工を施さなければいけない。
茹でるのも焼くのも何でも好きな私だが、やはり時にはそれすら面倒な朝がある。
けど、食パンだけじゃ物足りない。ガツンとした朝食が食べたい。
そんな時、私はなんちゃってピザトーストに頼る。
このピザトーストのコツはただ一つ。どれだけ楽に作るか、である。
卵を焼くのですらめんどくさい朝だ。玉ねぎやピーマンをわざわざスライスする気力などない。
チーズとケチャップ。
最悪この二つさえあれば単純な私の舌は喜んで「これはピザトーストだ!」と認識してくれる。
それにいくら素朴でも、大体この二つが揃えば美味しいのだ。これは食パン相手でなくとも言えることである。
ピザトーストと言えば、個人的にYoutuberの『岡奈なな子』さんの動画が印象的だった。
岡奈なな子さんはいわゆるご飯系ユーチューバーで、がつがつと色々なご飯を食べるその姿に、私はいつも食欲と元気をもらっている。
そのある回に登場したのが、ピザトーストだった。
詳しい作り方は忘れてしまったが、ウインナーをどうにかして空中で切っていたこと、食パンにバターを置いていたこと、そしてお皿の横に大きなトマトが添えられていたことを覚えてる。
ウインナーは切らなかったし、トマトを添えたことは今までに一度もないが、この動画を見てからは食パンにバターを塗るようになった。もちろん、ケチャップを塗る前に。
そして今回は本当に運のいいことに、冷蔵庫からベーコンが出てきた。開けるだけなのでこれは有難く使わせてもらう。
バター、ケチャップ、スライスチーズ、ベーコンの順番で食パンに布団をかぶせ、温まったオーブンレンジの中に放り込む。
これで三分待てば、なんちゃってピザトーストの出来上がりだ。
いつにも増して飢餓状態の朝、ようやくありつけたその日初めての食事に強くありがたみを感じる。
パンと一緒に焼いたベーコンは少し反り、油が浮いていた。服や手をいかに汚さずに食べるかも、ピザトーストの醍醐味である。
ジャンクで重い朝ごはん。ずるずると嚙み切れなかったベーコンを啜りつつ、なるほど、確かにここにトマトがあれば少しさっぱりするのかもしれないな、と新たに気がつく。
またすぐに訪れるであろう、次回の乱暴で面倒な朝には大きなトマトを添えてみるのもいいのかもしれない。