本日は少しのお祝い。久しぶりの外食だ。
にこにこと出迎えてくれる店員さん達に少しドキドキしつつ、予約していた席に着く。
ここ、サムギョプサル屋さん来るのは今日で二度目である。二度目のお祝いだ。
生ビールがないことが非常に悔やまれるがここは仕方がない。代わりにジンジャーエールを頼み、目の前の鉄板を眺める。
ここは店員さんが目の前で肉を焼いてくれるのだ。
前来た時は何頼んだっけ、なんて会話をしながらコースの選択メニューを選んでいく。
いや、私は選ぶのが苦手だ。ここは本日の主役に丸投げしてしまおう。
そうこうしているうちにキムチや豆もやし、サンチュなどが出来上がっていく。
しかし、食べるのはまだだ。もうちょっと。
銀色の箸を置き、しばらく我慢していると、やがて登場、大本命のお肉。
バチバチと音を立てながら、肉の塊が焼かれていく。少し傾斜のついた鉄板のおかげで、肉の油はキムチともやしの方へ流れていく。
じゅうじゅうとタレの焦げるいい香りが漂ってくると同時に、店員さんがハサミで肉を切りに来てくれる。
ただ、分厚い肉だ。刃がなかなか通らない。店員さんも苦戦している。
どぎまぎしてしまい、何となく視線を彷徨わせる。ちょっと気まずい。
こういう時、ゆっくり焦らずに切ってくれればいいとは思いつつ、どこを見ればいいのか分からなくなる。
店員さんの手元を見ておけばいいのか、それじゃ焦らせてしまうのか。だからといって目を逸らしておくのも少々冷たい気がしてしまう。
意味もなく壁のメニューを読んでいるうちに、出来ましたよ、と店員さんの声。
その店員さんに誘導されるまま、アルミ皿の上に乗せられた味噌を掬い、サンチュに乗せる。
次にネギ、肉はごま油に浸し、お好みでキムチ、もやし。
そして、一口でパクリ。
さっぱりした葉っぱの感触に、油の乗ったお肉、味噌やネギのスパイスと、キムチの辛味。
色々な味がして、どれがどんな味なのか曖昧だ。
でも、相性がいいことだけは分かる。美味しい。美味しい。
そのまま2枚、3枚と焼かれていく肉を次々に胃袋へ放り込んでいく。
手が止まらない。口も止まらない。
チーズフォンデュ、ニンニク醤油。
トッピングも相待って、あっという間に肉はなくなり、気付けばお腹もいっぱいいっぱいだ。
どうにかシメの韓国風炒飯を平げ、店を出た。
そういえば前来た時も同じようなお腹だったっけ、とそんなことを思う。
美味しかったね。来年は、どうだろうね。
曖昧に笑いながら、私たちは帰路についた。