食べ物と私

食べます。

眠れない日とアルコール

今週のお題「眠れないときにすること」

 

疲れて疲れて、疲れた一日。

我ながらよく頑張ったと思う。

 

もう体はくたくただったが、ギリギリまで作業をしていたからか、頭だけが冴えてしまっていた。

良くない兆候だ。頭が休んでくれないことには、体だって休んではくれない。

 

ベッドに入る前に、私はふらふらと冷蔵庫を開けた。

二日間前に買ったコンビニのチヂミの賞味期限が今日までだったはずなのだ。

 

よくないと分かってはいるのだが、眠れないとき、眠りたいとき、私はごはんに頼ってしまう。

そして、アルコール。

 

薄いプルタブの、スーパーのブランド、安いビールを食卓に並べる。

幸い明日の予定は空っぽだ。

深夜のおつまみセット。一人の夜。

 

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どこかぼんやりとした頭で、チヂミから一口。

もちもちとした生地に、大量に入ったニラが嬉しい。

ラー油の混ざったタレも辛くてよく合う。

 

そこに冷たいビールを流し込む。

このビールは炭酸が少なく、リキュールの苦みが強い。

人によっては美味しくないと言うかもしれないが、私にとっては十分だった。

 

私は酒に強いわけでも、弱いわけでもない。

アルコールは気分である。

さすがに上限を超えると、本格的に酔っぱらってしまうのだと思う。

けれどある程度のアルコールなら、酔いが調節できる。

 

5%という小さなアルコール。

明らかに足りないこれだけでも、やろうと思えば酔えるのだ。

 

空腹は美味しいもので、よく回る頭はアルコールで浸してやる。

そうすると、体は勝手に落ち着いてくれる。まぶたが自然と重くなる。

少しだけ、全てを忘れて楽になる。

 

子どもは大変だと思う。

お酒を飲むことも出来ない、夜に何かを食べることも。

密度の濃いめまぐるしい毎日に、疲れているのは何も大人だけではないのに。

 

ビールを傾けながら、二段ベッドの上で眠れなかった夜を思い出す。

あの夜、私は結局どうしたのだっけ。

あの時の泣き声は、下で眠る妹に届いていたりしたのだろうか。

 

苦い麦を飲み干してしまう。

二本目に手をのばそうかと迷ったが、それはただの欲だ。眠るためにはもう十分。

 

とろんと蕩けてきた思考の中、辛うじて食べたものを片付けていく。歯磨きだって忘れない。

どれだけ堕落したどうしようもない夜を過ごしたとしても、次の日の朝はさっぱりとした気持ちで迎えたいのだ。

 

少し寒くなってきた。

まだ半袖のパジャマで眠っている私は、ベッドに入り毛布にくるまる。

心地のいい温度。心地のいい眠気。

 

一日中浴びていたブルーライトをようやく消して、私はそっと目を閉じた。