食べ物と私

食べます。

原始的なグリルチキン

手羽元が好きだった。

食べやすさや食べられる量で言えば、既に骨と断ち切られている鶏モモ肉に軍配が上がるのに、骨から食べる、という行為自体がなぜか魅力的なのだ。

だった某原始人も某海賊も、肉と言えば骨付きのものを食べている。

ケンタッキーだって、骨なしやクリスピーよりも圧倒的にオリジナル派だ。

 

そしてそんな手羽元が、お徳用パックで500円弱。

アニメとは少々風貌は異なるが、案外安い部位であることに気付く。

けどこれ、骨を取っ払ったら食べるところはどのくらいなのだろう。

またそんなナンセンスなことを考えつつ、私はそのトレイをカゴに入れた。

 

食べ方は色々ある。

大分前にやったのと同じように、お酢とみりん、醤油でほろほろになるまで煮るのも良し、パックに記載されていた通り、から揚げにしても良し。

きっとカレーに入れて煮込んでも美味しいだろう。

 

少し悩んで、取り合えず漬け置くことにしておく。

先に味をつけておくことで肉に旨味が染み込む……というよりは、ちょっと準備してしまえば否が応でも調理するしかなくなる。

めんどくさがりの私への、一種の戒めのようなものだった。

 

寝かせている間に、シンプルに焼く調理法を選ぶこととする。

結局これが一番おいしいのだ。何より楽で。

 

グリルにキッチンペーパーを敷き、肉たちを並べる。

さすがお徳用。全部を並べてしまうと、正方形の天板は一杯になった。

 

クッキーだったらアウトだったが、生地が膨らむことはない。

肉同士が多少くっついていても、セーフとしよう。

 

電子レンジのつまみを回し、「グリル」に」設定する。

しかし、レシピなどないのだ。おまけにグリルの火力も分からない。

仕方ないから、とりあえず15分でセット。その間にお風呂に入ってしまう。

 

どうか焦げていませんように、と少し足早に風呂から出てレンジを確認。

果たして、鶏肉たちはいい塩梅で焦げ目をつけ、じゅうじゅうと音を立てていた。

 

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何となくクリスマス感のある絵面だと思う。

そう言えば、最近は既にどこもかしこもクリスマスツリーが飾られ始めている。

自分の家にはないくせに、大小様々のそれをもう5,6個は確認したような。

ちなみに今年初めて見たツリーは、乱雑にスーパーのスイーツコーナーの上に置かれていた。

 

何はともあれ、肉を一口素手で行く。

こういうのは箸じゃちょっとわずらわしい。

火が通っているか少し心配だったが、それも杞憂だったようで、臭みのないぷりぷりの鶏肉に、ほんのりと醤油っぽい味が乗っかっている。

なんというか、原始的な味だ。

最後焼く前に振りかけた何らかのハーブも影響しているのだろうか。

 

とにかく、美味しい。全面に、肉だ。

 

そう言えば七面鳥は食べたこと無かったな、と二本目に手を伸ばしつつ、『トムとジェリー』に出てくるごちそうを思う。

 

迫りくる今年のクリスマス。

気が早いような感じもするが、今から考えておくことも悪くはないのかもしれない。