色々な理由で、朝起きる時間がゆっくりと遅くなっていっている。
今日もベッドで何度目かの目覚めに焦ってエアコンをつけた。
この暖房器具のタイマーを寝る前にセットしておけばいいのだろうが、寝る前だって限界なのだ。
本当に、色々とガタが来ている。
忙しいと言われる朝。
私はいちいち休み休みでないと準備ができない。
着替えてから、一旦ベッドへ。
朝食を食べて、ぼーっとして。
メイクをして、一息ついて。
そんな私だから、朝はなるべく早く起きなければならない。
なのに、最近はそれが出来ないのだ。本当に。
自分と話し合う暇もなく、パンをマヨネーズ、ハム、チーズ、ハムの順で飾る。
あいにく今日は私の中で時間ギリギリだ。
卵を焼いている余裕はなかった。
それから温まったトースターにパンを投げ込んで、メイクを済ませてしまう。
アイラインもない、二色の簡易的なアイシャドウ。
気力と顔は比例するのだ。
ライオンのような髪をまとめようかと言うところで、電子オーブンが合図を鳴らす。
仕方ない、続きは食べてから。
破れたハムが私の焦りを表している。
せかせかしたハムチーズトーストだ。
とりあえず見られなかったTwitterのタイムラインを左手で遡りつつ、右手でパンを口に運ぶ。
私の方はろくに味わいもしないのに、チーズとマヨネーズ、ハムのしおっけとマイルドさがどこか心を落ち着かせてくれる。
なんだか健気な子供のよう、というか私が悪いことをしているみたいだ。
間違いなく、行儀は良くないが。
スマホに夢中になるうちに、とろりと小指の方に溢れてきたチーズも食べ切ってしまう。
それからTwitterを閉じ、一息。
忙しい朝はやはり、ちょっと疲れる。
まだこれからだというのに、もう一仕事やり切ったような感覚。
尾を引く眠気も相まって、ますますエアコンの下から動きたくなくなってしまう。
一ヶ月くらい、ずっと休んでいたい。
それでなくとも寒いのだ。単純に動きたくない。
外に出る時の私はすでに雪だるまの状態で、そんなのでこれからの冬どうするの、と、よく言われるようになった。
その度に私は、冬眠でもしようかな、と半分本気で答えたりしている。
寒くて眠い、冬の朝。
救いは自分の体温で完成した布団の巣だけだ。
とはいえ、そんなことを言ってみても、やらなければならないことは山ほどある。
出来損ないの私にとって、やる事は一日に三つがキャパオーバーだ。
今日もオーバーじゃん。
そんな風に思いながら、私はようやくバサバサの髪にクシを通していくのだった。