食べ物と私

食べます。

普通の日だけど雑炊を

最近食欲がない。

このブログを書く上で致命的なのだが、まぁそんな時期もあるだろう。

 

しかし胃には何か入れなければならないので、新しくアプリをダウンロードして、デリバリーのお店を探す。

新しくダウンロードすれば何円かお得になるはずなのだ。

一食分、タダになるくらいには。

 

しかし、メニュー一覧を見てもピンとこない。

というか、やっぱりあんまり食べたくない。

 

この食欲不振の理由は何となく分かっている。

けれど食べなければならないのもその理由のためで。

 

何だか生きづらいなぁと愚痴をこぼしつつ、アプリを閉じ、とりあえず立ち上がって冷凍ご飯をチンする。

本当はスープ等飲みたいところだし、やろうと思えば作れるのだが、なんせ気力もない。

 

とは言え白ご飯だけでは味気ない。

どうせ食べるのなら美味しい物が良いに決まっているのだ。

 

半ば意地を貫き通して戸棚を探る。と、今の私にピッタリの雑炊の素、なんてものが出てくる。

すっかり忘れていたが、多分これはワクチン接種後の対策として買っておいたものだ。

別に今熱があるわけではないのだが、変な所で役に立つものだ。

 

袋に書かれているように、水を250ml計り、鍋で沸かす。

コップ一杯に満たない水だ。すぐに沸き上がったその中に、雑炊の素、そして解凍出来たご飯を投入する。

ついでにタンパク質、卵も落として。

 

まるで風邪っぴきのようだ。雑炊の完成。

 

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誰も見ていないので鍋から頂く。

お行儀悪いかも知れないが、こちとら皿の一枚だって本当は洗いたくないのだ。

 

熱くなさそうな、鍋の端から一口。

とろとろとしたごはんと、申し訳程度の野菜、お肉。

優しい味に、胃が温まっていくのを感じる。これだけで十分だ。

 

小さい頃、雑炊はもちろん、お茶漬けやおかゆなど、水を含んだご飯が嫌いだった。

味は嫌いではなかったが、べちゃべちゃとした食感が受け入れがたかったのだ。

今は全く平気なのだが、やはり小さな頃は敏感なのだろうか。

 

同じような理由でししゃもも苦手だった。

これは食感というより、見た目だ。あの粒粒がどうにも苦手だった。

あの卵こそししゃもの醍醐味であるにも関わらず、だ。

 

成長するにつれ、食べられるものが増えていく。

舌が鈍くなったと言い換えることも出来るのだろうが、これはきっと単純に喜ばしいことなのだろう。

ただ、質とは反比例に量を食べられなくなっていくのが人間の悲しいところだ。

 

いくつになっても美味しいものはたくさん食べられるような体でいたいけれど。

たとえ、今日のような日があったとしても。

 

何とか雑炊を胃に収め、ほっと一息つく。

食べることは、私にとって安らぎだった。

この先もずっと、そうであるといい。