食べ物と私

食べます。

寒い夜と冬のアイス

パソコンでの作業中、気がそぞろになってきたのを感じ、ぐっと背伸びをする。

スマホを触り出したり、違うタブを開き始めてしまった時はもう駄目だと経験上知っている。

 

終わらせたいことはあるが、別にやりたいわけではないのだ。

集中力が切れてしまうことも許して欲しい。

 

さてどうするか、と、硬い椅子から降りてから、ふと思い出して冷凍庫を開ける。

行き詰まった時に必要なのは気分転換、そして糖分だ。

 

アイスは、冬になると本気を出してくるような気がする。

 

もちろん夏だってたらふく食べてはいるのだが、味自体は冬に出るアイスの方が好みだ。

早い話、私は氷系のアイスよりもクリーム系のアイスの方が好きなのだ。

 

そして、別に旬があるわけでもないだろうに、冬になって見かけるようになるのが、チョコレート。

こちらも私の好物の一つだ。

 

だからコンビニで甘いものを求めていた際、寒いにも関わらずアイスコーナーを確認し、まんまとカゴに入れてしまった。

昼間は結局食べなかったが、先程風呂に入ったこともあり、今体は暖かい。チャンスだ。

 

というわけで、買ってきたアイスを手に、エアコンのよく当たる位置へ座り込む。

冬のアイスは好きだが、寒さは苦手なのだ。

 

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初めて買うアイスだが、パッケージからこってりした味が想像できる。

あいにく木のスプーンはなく、かと言って洗うのも面倒だったため、なぜかそこにあったプラスチックのスプーンで側面を掬う。

 

まだ少し硬く、十分な一口とは言えないが、それでもカカオの香りがふわりと広がってくる。濃厚なチョコ味。

 

もう少し食べ進めていけば、ほろほろとした生地のガトーショコラを発掘。

その名の通り、アイスクリームというよりケーキに近い。

夜中に食べるには申し分ないほどの満足感を与えてくれる。

 

沁みていく糖分に頬が緩む。

やはり私が生きていく上では、甘いものなしでは駄目なようだ。

 

少し冷えてしまった体を抱えつつ、空になったカップとスプーンを捨ててしまう。

 

寒がりのくせに、私は冬のアイスが大好きだ。

けれど、このアイスが夏に出たとしても、きっと私はここまでの充足感を得られない。

いや、そもそも買っていなかったかもしれない。

 

冬のアイスは冬に食べるから、きっと美味しいのだ。

だからこの寒さだって、ちょっとしたスパイスで。

 

とは言え風邪をひいては困るので、先程よりも厚着をして作業へと戻る。

 

甘さと冷たさで凛とした頭。

何だかもう少しだけ、頑張れそうな予感がした。