昨日の疲れが残ったまま、今日はいっそのこと休んでしまおうかとすら思ったが、二時間だけと言い聞かせ重い腰を上げた。
寝不足からか、疲れからか、わずかに頭が痛かった。
昨日は21時には眠ってしまったのだから、どちらにせよ脆弱だ。
用事を済ませ、ついでに久々のスーパーに寄ることにする。冷蔵庫が壊滅的なのだ。
ついでに胃腸の環境も。
風を切って自転車を走らせる。
ヒラヒラと、心もとなく雪が降っていた。
小さい頃は喜んでいたのだが、どうもそんな気になれないのは、私が大人になった証なのだろうか。
安いものを探し、手にしたのは牛挽肉。
これで出来るものといえば沢山あるのだろうが、寒さのせいだろうか、なぜか無性にコロッケが食べたくなった。
私の中で晩御飯のメニューが確信的に近づきつつ、スープとして摂取する野菜達をゲットしていく。
寒い寒い日。
午前中で用事は終わってしまったが、シャワーだけのお風呂に入る。
本当は湯船に浸かった方がいいことは分かっていても、一人暮らし。
どうにも面倒で、私の中で湯船はただの体を洗う場所となってしまっている。
そして体が温まれば眠くなるのが人間。
そもそも昨日の疲れがおそらく残っているのだ。
昼寝と称してたっぷり三時間、私はベッドに身を預けてしまった。
起きてみると午後六時。
布団の温かさに甘えつつ、鬱々とコロッケのことを考える。
これから温かいこの場所から出て、じゃがいもを茹でて、玉ねぎを切って、挽き肉と炒めて、潰したじゃがいもと混ぜて、小麦粉に卵、パン粉を付けて揚げる……。
直感的に無理だな、と思う。
コロッケを食べたい気持ちは健在だ。ここで諦めない方が満たされることは明白。
それでも、心と体のバランスだって大事なのだ。
ということで、急遽メニューを変更。
名残惜しさを感じつつ、玉ねぎを炒め、挽き肉と混ぜる。そして小判形に形成。
メニューのレパートリーは少ない。牛挽肉で思いつくのは、せいぜいミートボールかハンバーグくらいのものだ。今回は後者。
一見、コロッケと同じ手間のように見えるかもしれないが、「揚げる」と言う工程が私にとって難関なのだ。
そこを省いて、焼いたら完成。
ついでに卵焼きも作ってみた。
相変わらず写真が下手である。
何の変哲もないハンバーグを、とりあえず一口。
途端、少しだけ気分が上がる。
特に肉汁がすごいだとか、柔らかいだとか、そんなことは無かったが、きちんとこれはハンバーグ。
ソースだって上手くできてる。
何だ、ハンバーグでも美味しいじゃん。
コロッケの気分は何処へやら。
単純な私はすぐに塗り替えられてしまう。
それがいいのか悪いのかは、まあ捉えようである。
合間に作った野菜たっぷりのスープも飲んで、胃腸も労ってやる。これで完璧。
また気分が乗ったら、揚げものをしよう。
そんないつ来るかもわからない誓いを立てながら、お皿を片付けるのだった。