お昼頃にようやく目覚める。
どうにも最近は起きにくい。
一通のメールを送ることさえ非常にかったるい。
よくない兆候だと思う。でもこのまま沈んでしまいそうな。
床に足を置くと、じんとした冷たさが広がった。
この時期に私の足が暖かいのは、朝起きた瞬間とお風呂から上がった時の二度だけだ。
あとは外気よりも冷たい。
冷たいくせになぜか汗はかく。何故だろう。
靴下を履こうがお構いなしで冷蔵庫のように冷えていく。
そんな理由もあり、以前は履いていたルームソックスも、今は風呂上がりだけ履くようにしている。
トイレに行って、顔を洗って、口を濯いで、テーブルに出したままの魔法瓶の水筒を手に取る。
注がれているのは昨日の夜に沸かしたお湯。
時間が経ち少し緩くなって、問題なく飲めるようになったお湯をマグカップに二杯分、こうした毎朝接種している。
何でも水、特にお湯は美容と体にいいらしい。
特にこの時期は、朝のお湯に乾き切った喉と冷えた内臓達が歓喜の声を上げる。
一応体が起きたところで、オーブンを温めておく。
昨日に引き続き、少しいい食パン。
卵でも焼こうかと思ったが、フライパンを出すことすら面倒なのでやめておく。
代わりに、食パンにたっぷりとチーズを乗せた。
そのままチーズがこぼれないように、温まったオーブンへ。
待っている間、適当にそういえば、昨日はパンケーキを焼こうと思っていたのだったと思い出す。
出来れば買い物に行って、ホットケーキミックスを買って、牛乳を買って。
それでホットケーキを作ろうと。
しかし、結局今日もそれは無理そうだとぼんやり思う。
たまには外に出ないと本当に腐ってしまいそうな気がするが、メールを送ることですら億劫なのだ。
考えることすらそろそろ面倒になってきて、全部投げ出してしまいたくなる。
本当にホットケーキを作れるようになる日は、一体いつ訪れるのだろう。
そうこうしている内に、パンが焼ける。
ホットケーキを諦めきれなかった朝、慰めとして蜂蜜をかけてみる。
リビングに場所を移した蜂蜜は、例年と比べてまだ凍り方はマシなようだった。
蜂蜜をこぼさないように、そろりそろりとパンを食べ進める。
チーズのしょっぱい味と蜂蜜の甘い味。
とろとろと溶けて、何の脈絡もなく消えていく。
朝ごはんを食べながら、こんなことをしてばかりではいけないと思った。
晩御飯だって、随分コンビニに任せてしまっている。寝てばかりじゃなくて、そろそろ立ち上がらないと。
それでも、パン一枚ではあまり力にならないようで。
少しため息をつきながら、またブルーライトの海に溺れる。
早く明日になればいい。