食べ物と私

食べます。

逃げ道の先、アイスクリーム

 

目が覚めたのは午後になってから。

暖かい布団の中で昨日のことを思い出す。

 

ちょっと昨日は普通ではありえないくらいに怒涛だったのだ。

色々危惧していた部分もあったがそれはどうにか杞憂に終わったようで、疲労以外のダメージはあまり受けずに帰宅することが出来た。

 

それでも今日は目一杯休んでやろうと意気込んでいたわけで。

 

スマホをいじりながら、つらつらと文章を読む。

私の趣味は書くことだが、最近は読むものが多いせいか、インプット期間に入ったように色々と読み漁っている。とはいえ、ジャンルは偏っているのだが。

 

今日も本当なら書きたいものを書こうと思っていたのだがどうにもそういう気にならず、メモ帳は開きっぱなしのまま放置されている。

 

やはり何事も上手くなるには積み重ねることが大事だとは思う。

勉強にしろスポーツにしろ、書くことにしろ。

もちろん本や参考書を読んでインプットすることも大事だが、多分一番ものを言うのは実技だ。

 

上手くなりたいなら書き続けなければいけない。

それも、しっかりとした理論を学びつつ、だ。

 

以前村上春樹さんの「文が下手になるから、下手な文章は読まない」という旨の発言が波紋を呼んだことがあったと記憶しているが、あれは本当なのだろうか。

 

だとしたら、素人の文章ばかり読んでいる私の文は、どんどん下手になるばかりだと思う。

確かに長い間紙の文章は読んでないような気がするから、どうにかしなければいけないとは感じる。

 

しかし、所詮私は文章を上達させる「べき」と思っているだけなのだ。上達させ「たい」と願っているわけじゃない。

そんな半端な気持ちじゃ、出来ることもできないじゃん、と私の中の私が笑う。

 

なんだかぐるぐる回り始めた思考の中、くるる、とお腹の音が鳴る。

そういえば朝から何も食べていなかった。

 

寒さに少し怯えつつ、それでも冷凍庫の扉を開ける。

昨日見つけておいたアイスクリーム。

ネガティブな思考を凍らせて、蕩けさせるには丁度いい。

 

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スプーンを入れると何故かスッと抵抗なく先が沈む。

既に半どけのような柔らかさに、黒蜜ときな粉がとろとろと絡み合う。

値段は分からないが、ちょっと、いや、多分かなりリッチなアイスクリームだ。

 

楽しいも美味しいも好き。

ただ、どうやら生まれる時に向上心をどこかに捨ててきてしまったらしい。

勝負事や競い合いには、小さい頃から向いていなかった。

悔しいことは嫌いなのだ。

 

どこまでも逃げ草が染みついた午後。

何もしない休日に適当に言い訳をして、今日も私は目を閉じた。