よく眠れなかった日の朝。
例の如くベッドでゴロゴロと時間を費やす。
そして、憂鬱。
雨も相まって、かなり気分が落ち込んでいた。
Twitterのトレンドに就活解禁日、と出ていたのだ。
今の私にとっては睡眠薬の効果だってぶっ飛ぶような言葉だった。
しかも検索してみれば、さらに焦らせる言葉のオンパレード。単語すら分からないものもあった。
いや、正直そもそも就活解禁日という言葉すら分かっていない。何が解禁されたんだ。
よく分からない。分からなすぎる。
1年前も同じように怖気付き、得意な方に流れた結果そこでも折れ、結局今に至るのに、私はまだ何もかもが怖かった。
稼がなければいけないのは分かる。
でもそれがどうしても就職活動に結びつかない。
もっと言うと、就職どころか就活出来る気がしないのだ。
人格否定はよく聞く話だが、そんなのまっぴらごめんだし、そこまでして入りたい企業もない。
何といっても私はここ数年、ずっと死にたいのだ。
これ以上人の輪を広げたくなかった。
生活費を稼ぐだけならフリーターでやっていきたいところだが、何だか私以外の色々な人たちがうるさそうな気もする。
そんなの気にしなければいいと言われれば、それまでだけど。
あまりにも眠いため、コーヒーを淹れることにする。粉から本格的に淹れるのは随分と久しぶりだが、思考が巡る日にはちょっとした作業がちょうどいいかもしれない。
ついでに朝ご飯、フレンチトーストを作って完成だ。
温かいコーヒーを一口啜る。
買ってから結構時間が経ってしまったからか、酸味の強い味だった。
大きい窓から外を見る。
何だかすごく惨めな気分だった。
この夏にやりたいことを見つけて駆け出したはいいものの、そこから動けていないような。
何かをやってみたところで、誰かに鼻で笑われているような。何にも届いていないような。
何もやっていないような。
誰に言われたわけでもないのに、叱責の声が聞こえる気がする。
就活だって、もうやっている人はやっているんだぞ、と。
何でお前は出来ないのか、いや、出来ないのは仕方ない、お前の場合はやろうとしないだけだ、と。
こんな毎日は好きじゃない。
これから先もきっと、ずっと好きじゃない。
戦っている友達のInstagramのを見る。
私には戦場と思えるような境遇にあるはずなのに、皆んな楽しそうに笑っていた。
どこまで行っても、きっと私はあんな風に笑えない。笑いたい。
コーヒーを飲み干して、空っぽのカップを見る。
底には月だって浮かんでいなかった。