久しぶりに地元の友達に会う。
一年以上会っていなかっただろうか。本当に久しぶりだ。
家の前まで迎えに来てもらい、赤い車に乗る。
少しも変わっていない風貌に少し安心する。
空気感も変わっていないのだろうか、緊張は少しもなかった。
会いたいと、そう誘われたのは去年の話だった。
なかなか実家に帰る機会もなく、年を跨いで会うことになってしまったが、誘われた時は嬉しかった。
全く会っていないのに、不意にどこかで私のことを思い出してくれる人がいるというのは、何となく不思議な気分だ。
それに遊びに誘われると、「あなたと会うことは楽しい」と言われているようで嬉しくなってしまう。
まだ隣にいていいんだ、と、こういう時だけ自己卑下的な謙虚になってそう思う。
友達は仕事上がりだった。
車を止め、調べたカフェに足を運ぶ。
大きな窓がある、明るい綺麗なカフェだっだ。
お昼を食べると言う友達に対して、私はスイーツを頼む。
実家に帰っている間は何だかいつもお腹がいっぱいで、ガッツリ食べる気にはならないのだ。
届くのを待っている間に一年分の近況報告を始める。
友達は職場が変わった以外、そんなに変わった様子は見られなかった。
私がどう映ったのかは分からないが、元同居人についての話を中心に友達に話した。
この友達との会話は、一定のゆっくりしたテンポだなと思う。
細々としたタイミングで笑い声が挟まる。
落ち着いた楽しさが心地よい。
大学の友達とはまた違った楽しさだ。
そうこうしているうちに、可愛らしいフォルムのパフェが運ばれてくる。
ほうじ茶パフェ。美味しそうなソフトクリームだ。
ちょっと塩味のする、珍しいソフトクリームを細いスプールで掬う。
解けるようなしょっぱい甘さ。合間にカリカリとしたクッキーが入っている。
その下にはおそらく、ほうじ茶のプリン。そして小豆。
小豆はあまり得意ではなかったが、それを入れても美味しいパフェだった。
追加でフライドポテトを頼みつつ、話を進ませていく。
色々と面倒なこと、すれ違うこと、思っていること。
少しだけ笑い飛ばしながら、言葉にして吟味していく。
全部手放したいと思っている私に対し、友達はまた新しいことを探しているし、待っているらしい。
私とは違うけど、なんとなく分かる。
素直に応援したいと思えるのは、この距離感だからだろうか。
日が傾いて、カフェを出る。
振り返ってみれば自分ばかり話しているような気がしてしまう。
また少し不安になるも、大丈夫とサッパリした様子で言われてしまう。
今度は私から彼女を誘いたい。
迷惑じゃなければいいと思う。