食べ物と私

食べます。

素の私、8切れのピザ

こっちに帰ってきて、元同居人に会う。

どうやら寂しかったようで、再会を喜んできた。

私もそれなりにほっとした。

 

家に帰ってもご飯はないので、恒例となったサイゼリアへと足を運ぶ。

店内は賑わっているが、席には待たずに座ることができた。

 

実家での飲み癖が抜けないのか、何となく喉がアルコールを欲し始める。

欲求には抗えず、生ビールをジョッキで注文。

実家で飲んだんじゃないの?と笑いつつ、元同居人も同じものを注文していた。

 

食べ物はあまり悩まず、すぐにスタンダードなピザを選ぶ。

ファミレスのピザは何となく避けてきたが、今日はどうしてもピザが食べたい気分だったのだ。

 

先に到着した生ビールを傾けつつ、あった出来事について話す。

こうして考えると、実家にいる時は聞き手だが、元同居人の前だと話し手になるような気がする。

母は私を吐口に、私は元同居人を吐口にしているような、ちょっと申し訳ない感覚。

とはいえ口は止まらない。

 

良くないなぁ、なんて思っているうちに、ピザが到着。

これで口を塞ぐものが出来た。

 

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切れていない、まっさらなピザ。

出来るだけ丁寧に8等分する。

量が変わらないことなんて分かっているが、4等分よりも長く楽しめる気がするのだ。

 

誰かに怒られそうだが、ジョッキを手にしているためフォークで頂く。

 

薄い生地に、よくあるトマトソースと、よくあるチーズの味。スタンダードで王道、ど真ん中のピザの味だ。

耳の部分もカリカリとしていて美味しい。

 

元同居人に1切れあげて、7回その味を堪能した後、私の家へと足を進める。

 

人の多さに、あー、戻ってきたんだなあと実感しつつ、一つあくびをする。

疲れて見えたのか、元同居人は隣で歩きながら口を開く。

 

どうやら私は実家に帰る前はテンションが低いが、戻ってきたらテンションが上がっているらしい。

元同居人いわく、「他所行き」のテンションだと。

もちろん私に自覚はない。

 

ふうん、と適当に相槌を打ち、ここ数日のことを考える。

 

他所行きのテンションということは、頑張っていたのだろうか。

でもそうなると、私は家族の前で頑張っているということになる。

だからといって元同居人の前で気を遣っていないかと言われるとそうでもない。

 

じゃあ、私は常に頑張っているのだろうか。

あながち間違いでもないような。

 

素がどっちなのかなんて、私にも分からない。

どっちも私であり、どっちも私じゃない。

全部を受け入れたいけど、受け入れられない所もあって。

 

何だかこんがらがってきたので、思考を投げて笑ってみる。

私の家まで、もう少し。