食べ物と私

食べます。

可愛いあの子とつくねとピーマン

本当に本当に忙しかったここ数日。

まだまだ緊張感は続くものの、一旦今日で連続した辛さは終わりだ。

 

どうにか一仕事を終え、ちょっとした脱力感。

まだまだ序の口だというのに、脆弱な肉体と精神は既に音をあげ始めている。

きっと私だけじゃないのだろうけど。

私と似たような、でももう少し過酷な状況にある女の子を一人、思い浮かべる。

 

一年前に出会った彼女。

最初は正直近寄りがたかった。格好が派手、いわゆるギャルなのだ。

けれど、今の私は彼女が思いのほか臆病なこと、初対面の人が苦手なこと、愚直で素直なことを知っている。

くるりと上を向いたまつげだって、強くてとても可愛らしいと思う。

 

そんな彼女の大きな目は時々翳る。

色々な事を考えているのだと思う。私では想像も出来ないほど、色々なことを。

真っ直ぐであるということは、障害にぶつかりやすいことでもあるのだ。

何を考えているのか、純粋に興味が湧く。

もう少し知りたいと思えるほど、彼女は私にとって魅力的だ。

 

私より長く部屋に残っていた彼女を思い浮かべながら、スニーカーで帰路を行く。

自転車のない帰り道。イヤホンで音楽を聴きながら、家の近くのコンビニに寄る。

 

忙しくなってからお世話になることが多いが、もうこればかりは仕方がない。

数がありすぎて決められない中、ふと冷凍食品のコーナーに視線がいく。

そこで見つけた、ジューシーつくね。

パチン、と冷蔵庫の中のある食材が頭をよぎり、即座に今日の晩御飯が決定した。

 

家に帰って今日は先に風呂に入ってしまう。

そして各材料を用意して、完成。

 

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生のピーマンにつくねをはさんで食べる。『孤独のグルメ』で出てきた食べ方だ。

一時期ドラマシリーズを見るのにはまっていて、序盤からかなりの食テロを受けた記憶がある。

ピーマンを切るぐらいなら私にも出来そうだったので助かった。野菜も取れる。

 

一思いにガブリ、と噛みつくと、ジャクリジャクリとピーマンが小気味いい音を立てる。

新鮮な苦みとともにタレのよく絡んだつくねが口いっぱいに広がる。

ピーマンの硬さのせいか、結構食べ応えのある一品である。

 

サッポロ黒ラベルの500ml缶をぐい、と傾けつつ、もう一つと手を伸ばす。

疲れ切った脳と体に心地よい快楽。

この1週間の色々がアルコールとおつまみに溶けていくようである。

 

ビールごときのアルコールでは理性が残る。

この時間が一時の逃げだと、脳の片隅では意識してしまっている。

つまりはまた明日から、やらなければいけないことが待っている。

 

あの子は今、どうしているんだろうななんて考える。

あの大きな瞳が、夜の時間に楽し気に輝いているといいのだけれど。