予定のない日。
例の如くベッドからは長い時間起き上がれなかったが、夜になってようやく働く決意が出来る。
もう6年目の付き合いに突入した冷凍庫の前に立つ。
そろそろここを整理しなくてはいけない。
1年前、まだちょっとしゃかりきとしていた時。
節約しなければと、お弁当を頑張って作っていた。
朝が楽になるよう、自作の冷凍おかずを作ったりなんかして。
けれどどんどん食べることさえ面倒になって、冷凍庫も冷蔵庫も開かなくなった。
買い物だってもっぱらコンビニ。
カートを持って走り回る余裕すら、私には無かった。
レンジで温めることもなく、霜まみれになってしまった冷凍庫の中のおかず。
放置したまま、冷凍ですら危うい時期に達してしまった。
ゴミ袋の中にタッパーの中身、あるいはタッパーごと放り込んでしまう。
食べられない、要らないものは捨てて、霜を取って。
少し整理するだけで、なぜか心に余裕が生まれる気がする。
あらかたスッキリした冷凍庫を閉め、次に見るのは冷蔵庫。
半分に切って長らく放置されたキャベツ、ちょっと芽が生え出しているにんじん、芽が大きくなった玉ねぎ。
一斉にこれらを取り出して、細かく細かく微塵切りにしてしまう。
次に、冷凍庫の生存者、舞茸としいたけ、そして豚バラ肉。
フライパンにこれらの具材を一気に投入して、少し塩を振って水分を出す。
全体がしんなりしたところで水を加え、カレールーを投入。
じっくりコトコト煮込んだら、死にかけた者たちのカレー、完成だ。
単体で見るとダメそうだったが、カレーの強さで誤魔化してしまえば皆同じだ。
その上何日分も作れてしまうのだから、やはりカレーは偉大だと思う。
カレーということで、もちろんご飯も炊いた。
冷凍庫に一番欲しかった、けれどずっと無かったお米。
少し緩いカレーはよくご飯に絡む。
ルーは具沢山、けれどするすると食べ進められてしまう。野菜をたくさん摂れている。
しいたけが息を吹き返したように肉厚になっているのには驚いた。かなり久々に食べたまいたけもいい仕事をしている。
個人的にカレーにきのこが入っているのは高得点なのだ。
あっという間に食べ終えてしまう。
残りのカレーは冷蔵庫に閉まった。
これから数日、私はこのカレーを駆使して生きていくことになる。
何だかまだ食べられそうだな、と思いつつ、残りのご飯をせっせこラップに包んでしまう。
冷凍庫の模様替え。この子たちは新入りだ。
少し嬉しい気持ちになりながら、清楚になった冷凍庫に熱々のご飯たちをそっとしまうのだった。