こんなに気分が下がっているのも久しぶりだった。
原因は色々あるが、とどのつまり疲れているのだ。
薬を飲むために晩御飯を食べなければいけない。
冷凍庫の奥から発掘された鶏の塩麹漬けを焼く。
ちぎったレタスに、トマトのサラダ。
すぐ食べられるようにと作っておいた煮卵も乗せて、残っていたアボカドを半分。
豪華なサラダの出来上がりだ。
もしゃもしゃと、残飯みたいな見た目の健康的な食事をとる。
美味しいのか美味しくないのかは正直わからない。
あー、レタスだな、トマトだな、煮卵だな、鶏だな、と思う。
分かっている。今夜は眠れない。
誰も助けてはくれないと思う。
もうずっと分かっている。もうずっと分かっているけれど、ずっとずっと助けて欲しいと思っている。
いい加減に諦めてほしい。
私が望んでいるほど、人間は他人のことにかまけていられないのだ。
だって、それは私も然り。
皆、自分の人生を歩んでいる。
世界は人の数だけあると聞いたことがあるけれど、本当にその通りだと思う。
そして、他の人の世界を見ることは出来るけど、決して交わることはない。
恥ずかしくもがいて、諦めて、諦めて、分かったことだった。
酷く寂しくて死にたくなった。
だから感情など要らないと思うのに、理性がなかなか壊れてくれない。体がなかなか壊れてくれない。
付き纏うものだけが増えていく。
死を咎める人が多くて参ってしまう。
そう言うだけで、どうせ私のことなんか見てくれないのに。
でも、私だって人のことは言えなかった。嫌気がさす。
食べて眠って、また健康でいられてしまう。
幸せなことなはずが、どんどん首を絞めていく。
締め切ってくれれば楽なのに、じわりじわり、ギリギリ呼吸ができる強さで首が絞まる。
早く殺して欲しかった。
もううんざりだった。
自責の皮を被ったエゴも、愛想笑いも、下手くそな約束も、曲解される私の言葉も。
あらゆる意味で私を救ってくれない、世の中の全てに苛々した。
無責任だと思う。私も、この世界も。
何で発生してしまったのだろうと悲しくなる。
生まれた一番最初の瞬間から、私の間違いは始まっていた。
陳腐な言葉。
でも、生まれてこなければよかったと、心の底から思っている。
どうしてみんなが上手く生きられているのか分からない。
死にたい夜にどうすればいいかなんて、先生は教えてくれなかった。
どうやって気を許すのかなんて、お母さんは教えてくれなかった。
そんな大事なこと、教わらなかった。
でも、何度だって私は朝を迎える。迎えられてしまう。
だからこそ今、絶望しているのだ。