食べ物と私

食べます。

落ちに落ちる炊飯器ご飯

炊飯器でご飯を食べるようになったら終わりだと聞いたことがある。

それが本当なら、私は今日、終わった。

 

冷凍庫に残り少しになったご飯を炊いておこうと考えついて、けれどお腹はまだ減ってなかったから、冷凍だけして少し残しておいたご飯。

 

それをわざわざ器に取り分けるのは面倒で、いいや、炊飯器ごと食べてしまえ、と、冷蔵庫にあったレタスで彩った。

そしてこの前コンビニで買ったガパオライスの具をかける。

これでよく分からい、サラダガパオライスの完成だ。

 

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見た目が完全に終わっている。

けれど一人暮らしなどこんなものだ。

ちゃんと食べている、しかも楽しめてるだけで万々歳といったところだろう。

 

予想以上にたっぷりだった具材を米に絡めて一口。

思った以上にエスニックの香りが強い。

身体がカッカと熱くなる感じ。美味しい。

レタスがあってよかったかもしれない。

しゃもじは食べにくそうだったので、さすがにスプーンで食べ続ける。

 

そういえば今日、見てなかったな、なんて思ってたら同期が一人、潰れた。

 

リーダー格の人だった。

色々と言及してきたり、気分屋だったりの、いつもウィスキーをロックで飲んでいると言っていた人だ。

彼とは少し、それこそ暗い夏に話したことがあるけれど、お金と経験の価値について語っていたっけな。

 

あーあ、と思う。自分さえコントロールできないのに、驕るからこうなるんだ、とも。

 

自嘲は合図なのだ。

まだ笑える、じゃなくて笑ってなきゃやってられない。

その暗がりに目を背けてたら、いつか呑まれる。

だから呑まれる前に、暗がりがまだ小さいうちに諦めるのが吉なのだ。

 

それにしても、自分を壊してまでしたいことなんて、あるのだろうか。

なんで彼はそこまでしてしがみついているのだろう。逃げてしまわないのだろう。

 

デッドレースで先頭を駆け抜けているのは私だと思っていたのだが、どうやらそれは思い過ごしだったようだ。

 

同期が今何を思っているかは分からない。

けど、きっとこういう手を抜いたご飯ですら食べていなかったのかな、なんて思ってみる。

何かに熱中して忘れてるわけじゃないのにエナジードリンクでお腹を満たすことほど、悲しい補給は無い。

 

まずは自分があっての他者だ。

たとえ炊飯器からだったとしても、そのご飯を自分のものに出来ているのなら、もうきっとそれでいいのに。

 

思ったより周りの人は、色々なことを手放し切れていない。

私だってまだ全然持ったままだけど、これでも随分角が取れた方かな、なんて。

 

あの人も、私も、いつか着の身着のままになれたのなら。