食べ物と私

食べます。

あの子の涙と冷製パスタ

ちょっと落ちている。

久しぶりに人の涙を見た気がする。

 

いつもの場所に行くと、なんだかみんな元気がなかった。

限界そうだなーと思いながら、私は私の業務をこなす。

いつも元気な二人組、そのうち一人が居なかった。

 

どんよりした空気。よくなかった。

 

それで、私が大好きな女の子の話を少し聞いてみれば、結構限界が近いのだと。

その感覚には覚えがあった。

 

近くのコンビニの前でタバコを吸いながら、潰れた同期のことを話した。

辛い状況にいるんだなって。

女の子はそう言いながらメンソールのタバコを噛んだ。

私は小さく切り分けられたガトーショコラを買って、その子と分けて食べることしか出来ない。

 

そのうちに少しその子が泣き始めてしまった。

慌てるでもなく、過度に慰めるでもなく、もう一人の女の子と私はただそこに居た。

 

どこまでも逃げてしまえばいいのに、と思う。

本当に、私から見ればみんな抱え込みすぎなのだ。

 

周りが頑張っているから。

自分が弱いかなって。

 

そんなことを言って自分の体を酷使して、心を擦り減らして、最後にボロ切れみたいになったって、結局は誰も助けてはくれないというのに。

 

だったらもうはなから諦めてしまえばいい。

無理な自分ごと了承して、もしくは諦めて、さっさと気持ちが楽な方に行ってしまえばいい。

 

私は心からそう思っているのだけれど。

 

二人の女の子と別れた帰り、コンビニに寄って晩御飯を買う。

今日会ったあの子達が美味しいと言っていた、セブンイレブンの冷製パスタ。

普段パスタなんて絶対に買わないのに、今日はどうしてもこれが食べてみたかった。

 

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ソースを絡めてフォークで一口。

トマトソースが細いパスタによく絡む。

たまに顔を出すチーズのまろやかさと、生ハムの肉肉しさ。確かに美味しかった。

 

皆、諦められないものが多いのだと思う。

思考を停止させてしまった私とは違って、きちんと将来の心配をしている。将来のためを思っている。

だからこそ、きっと辛いのだけれど。

 

ここまで生きてきて、分からないことばかりだと思う。

人はなぜ感情を原動力としているのか。なのにその感情が生きる上で足を引っ張っているのはなぜか。

 

ちぐはぐで、私の根本がそんな感じだから、周りの人が言っている意味がよく分からない。

きっとそれは周りとズレている、私がどこか欠落しているんだと思うけど。

 

負い目や罪悪感は持っていない。

ただ、泣いていたあの子にもっと言えることがあったならな、なんて、柄にもなく思った。