食べ物と私

食べます。

他人のつらさとベーコンエッグ

ちょっと落ち込むことがあった日は、大体もうちょっと厄介事がついてくる。

 

4人で話していた時、そのうちの一人が急に大きな音を立てて荷物をしまい始め、大きな音を立てて部屋を出て行った。

残された私たちは唖然とするばかり。

例のあの女の子だ。

 

そこから、もちろんその女の子の話題で持ちきりになる。

曰く、最近はこういう事が多いのだとか。

 

自分が嫌な空気にしていることの自覚はあるのか。

いやそもそも怒っていることに気づいているのか。

なぜ今までこのままでやってこれたのか。

どうして欲しいのか、彼女は私達に何を求め、何が気に入らないでいるのか。

 

声高に話す愚痴にも似た内容。

正直楽しかった。暗い部分を人と共有することは多分、楽しいのだ。

斜め前でちょっと居心地悪そうにしている女の子を見ながら、自分の醜さに遠くで呆れたり。

 

そんなこんなで時間は午後八時を回ろうとしていた。

家に帰り、疲れたまま一人、ベーコンと卵を焼く。

ご飯に乗せたら完成。適当すぎる夕飯だ。

 

f:id:zenryoku_shohi:20220617074709j:image

 

毎度おなじみとなったベーコンの塩気を味わいつつ、今日あったことを考える。

 

あの女の子は一言で言えば注目されたがりなのだ。

話題の中心が自分でないと気が済まない。

注意が自分から逸れると、怒っているのに被害者面をしてどこかへ去って行ってしまう。

 

「赤ちゃんじゃん」と誰かが言っていたが、まさにその通りだと思う。

そして皮肉にも今日、彼女のいないところで、私達の会話は彼女を中心にして回っていた。

 

生きづらいだろうな、と思う。

私だってかなりこの世を毛嫌いしている類の人間だと思うが、そんな私よりもよっぽど生きづらい。

活力に漲る彼女のパワーがどこから出てくるのか不思議で仕方ない。

 

けれど、彼女に頼れる人はいるのだろうか。

彼女はこれまで生きてきた中で、何度こういう会議を本人の知らない場所で開催されてきたのだろうか。

 

そう考えると、きゅっと胃のあたりが痛くなる。

決して、私だって他人事じゃないのだ。多分。

 

色々なことを反面教師にして生きているつもりだけど、ちょっとノリを間違えたり、軽率に口を滑らせたり。

馬鹿だから、そんなことは往々にしてある。

 

そもそも私なんかが人のことをとやかく言える立場ではないのだ。分かっている。

 

それでも止められない。思うことはやめられない。

 

とりあえずは人と話す余裕がない時、空気を悪くするくらいなら家に引きこもっていようと決意する私だった。