右足首が痛い。内側の、くるぶしの下あたりだ。
近くのコンビニまで行ってみたが、歩くのもやっとという状態。
長距離を歩いた後によく痛むことがあったが、ここまで酷いのは久しぶりだった。
アイスを片手にどかりと腰を下ろす。
チーズテリーヌ。店員さんが木のスプーンかプラスチックのスプーン、どちらがいいか聞いてきてくれてちょっと嬉しかった。
ちょっと溶けたカップの側面のアイスを木のスプーンでなぞる。
上のチーズソースの濃厚な味。下に敷いてあるクッキーのような生地も相まって、もはやアイスというよりチーズケーキと言った方が近い。
痛いときは冷やすのがいいという安直な考えから、アイスのカップを患部に当ててみる。
小学生の頃、同じような痛みに遭遇したことがある。
多分、長距離遠足に行った後のことだったと思う。同じく足の内側が痛くなり、上手く歩けなくなった。
その時初めて内科ではない病院に行った記憶がある。あの時、なんと診断を受けたのだろう。
丁度母からメッセージが来ていたので尋ねてみれば、途端に電話がかかってくる。
話してみるも分かったことは、診断を覚えていないということと、母は今足首が痛いということ。
私だった主語が母になってしまうのは母の悪い癖だと思う。
ネットでそれとなく情報を調べてみる。
インターネットによると一本余分な骨があり、それが悪さをすることがあるらしい。
それが本当ならとんだ人体の齟齬だと思う。
不必要な骨が歩くことを邪魔するなんて、おかしな話だ。
足の裏には魚の目がいくつか出来ている。
私はそもそも歩くのが下手なのだと思う。
歩くのが下手、なんて笑ってしまう。そんな初歩的なことも出来なくて可哀想にすら感じた。
思えば走るのも苦手で、小さい頃はよくかけっこでこけていた。
マラソン大会では40人中38位だったことを覚えている。
体が貧弱なわけではないが、あまり思うように動いてくれていないとは感じる。
多分、そういう体験がずっと重なって色々なことが嫌になってしまっているんだと思う。
とにかく今はキッチンまで歩くのも億劫で、アイスくらいしか食べる気力がない。
足が悪いのは思ったより不便だし、将来は歩く事すらままならなくなるというのなら、やっぱり私はそうなる前に早く死んでしまいたいと思うのだけれど。
アイスを全部食べてしまって、まだ少し空きのあるお腹を水で満たす。
明日からは業務だが、この痛みが続くようならばそこまではバスを使うことになるだろう。
その前に病院か。
いろいろなことを考えてしんどくなってしまう。
明日はとりあえず、雨でなければいい。