ちょっとした正念場を超えた。
もう何度目かの発表だが、そろそろ気が抜けてくるる頃だと思っていたので、少しやらかさないか心配だった。
しかし、どうにも結果は上々。
貶されるどころか珍しく褒められた。
やっぱり褒められることは嬉しいと思う。それに、自分は定められたことをこなすことだけは上手いなと。
だから小さい頃は成績が良かったし、レポートなんかも得意だ。
もちろん、数が重なればパンクしてしまうからこの特技も儚い物なのだが。
長く時間を掛ければ誰でも出来るというのは母の言葉である。
まあ、とにかく今日は褒められた。
もうほとんど痛みの引いた足、それでも再発を恐れて一応バスで帰ってみる。
駅に着いて、さて。とひと悩み。
誰でも出来ることとはいえ今日は頑張ったのだし、何かしらのご褒美があっても良いのかもしれない。
レモンチューハイ180円と書かれている中華料理屋さんを覗いてみる。
看板にはおひとり様でも歓迎との文字。見かけによらず店内も綺麗そうだった。
しかし、本日のおすすめメニューに書かれた値段を見て踵を返す。
ここはもうちょっと金がある時に来てみよう。
結局、その2、3軒隣にあった『やよい軒』に足を運ぶ。
食券を買いながら定食しかないことに嬉しいような、困ったような気持ちになる。
なぜなら私はビールが飲みたかったから。
生ビールは450円と少し高めだったが、背に腹は変えられない。
代わりに安い唐揚げ定食を頼み、少し待つ。
隣に座ったお姉さんも、ひとりでビールを飲んでいた。
そして届いたお盆いっぱいのご飯と生ビール。
とりあえずビールに口をつける。
頑張った後、特にこう暑い日のビールはどうしてこんなに美味しいのだろう。
ご飯のお供は全部ツマミにもなるというのが私の持論だ。
カリッカリでジューシーな唐揚げを食べ、まずは白米を食べる。二口目の唐揚げはビールと一緒に。
何というか、両手に花状態である。
一人暮らしではあまり食べない冷奴もお漬物も美味しい。
途中で流石にお腹がいっぱいになってきてしまったが、結局最後残しておいたお味噌汁を飲み干して、私のお腹は落ち着いた。
ケータイをいじりつつ、ちょっとだけ休憩していく。
お腹いっぱいに食べることだって、結構エネルギーを使うのだ。
しかし、ごはんもお漬物も美味しかった。
これがお代わり無料だというのだから嬉しいはずなのだが、実際のところはお代わりできた試しがない。
やよい軒に来る度、自分のお腹の容量が悔しくなる。
隣のお姉さんがご飯をお代わりしに行くのを、少し悔しく眺めていた。