落ち込んでいた同期と話した。
自分の出来なさと、なりたい自分について。
小さい頃から出来ないことが多い。
足は遅かったし、協調性もないと言われた。
何をするにもトロくて、一度集中すると周りが見えなくなっちゃって。
ポンコツだから頑張らなければと思う。
何も出来ないけど、出来なきゃ誰も許容してはくれないから。
ちょっと辛くなってしまう。
欠陥品が頑張ったって、所詮欠陥品でしかないとも思うから。
帰りのバス。バス停を間違えて一本のバスを逃した。
この前はカードのチャージ不足で止められてしまい、迷惑をかけてしまった。
こういうところだよな、と思いつつ、待ち時間に近くにあったミニストップに入る。
家の近くにはないコンビニ。
特別感があるから、そこで元気になれるようにチョコレートパフェと書かれた商品を手に取る。
気分が落ち込んでいる時は甘いものを食べるといい。それと、温かいものを。
家に着いて動かない体を動かす。
ちょっと多忙だったからか、何だか酷く疲れていた。
チョコレートパフェ。スプーンを手に取る。
ケーキ生地と甘すぎない生クリーム。
苦めのチョコが食べやすくて美味しい。
『宝石の国』を読んだ。一気に。
とても寂しいお話だと思った。
このお話の主人公もポンコツだった。やっぱり社会的には愛されなくて。
でも、ただ一人だけには愛された。
なんだか羨ましくなってしまった。
頭を撫でられるのは、抱きしめてもらえるのは、とても心地よさそうだった。
最終的に全部読んで愛が分からなくなってしまったけど、だからこそぬるま湯の温度が際立って。
でも、そのぬるま湯にすら、私は浸かることができない。
人に優しく、とはよく言ったものだが、本当の優しさは何か、時々我に返って分からなくなる。
ポーズならいくらでも出来るのだ。
その裏にある思考がどれだけ利己的でも、優しく見せることはいくらでも出来る。
でもそれは当然、優しさではない。
本来優しさはもっと、泣きそうなほど尊いものなのだと思う。
まだ、触れたことがないけれど。
だってこう思ってしまう時点で、私は優しくないのだから。
競ってばかりで、焦ってばかりで、何にも優しくなれないと思う。
余裕もなければ心も狭い。ポンコツに輪をかけてダメ人間の称号だ。
チョコレートパフェは無くなってしまう。
残った器を名残惜しくスプーンでつついた。
いつか何かの間違いで、私が救われたのならば。