食べ物と私

食べます。

私が食べる名もない料理

買い物に行った。

実に二週間ぶりのスーパーだった。

ようやくスーパーに行くだけの気力が出来てほっとする。

 

まだ祭りが続いているようで少し騒がしいが、ビールやおつまみだけを買っていく人たちを横目にガッツリ日用品を買い込んでいく。

それにしてもみんな元気だ。

もしかしたら気力が出たのはこの祭りの空気に当てられたからなのかもしれない。

そう考えると人混みが少し有難くもなってくる。

 

アイスコーヒー、トマト、ピーマン、エリンギ、チーズ。

 

家に帰って買ってきたものをしまえば、期限切れの卵しかなかった冷蔵庫が一気に潤う。

嬉しい。ただただ嬉しい。

その勢いで何か作りたくなったのも、もはや自然の摂理だろう。

 

食べたいものを思い浮かべてみて、作り方は微妙だがとりあえず行動に移してみることにする。

 

まずはじゃがいもを厚めにスライス。

レンジでチンした後、少しオリーブオイルをかけてオーブンへ。

 

その間に玉ねぎをみじん切りにして、30%引きだった鶏むねミンチと炒める。

そこにケチャップ、醤油にみりん。

 

あとは焼き上がったじゃがいもに出来た肉をかけ、チーズを掛け、ちょっと硬く仕上がった温玉を乗っかる。

テンションが高いのでパセリのおまけ付きだ。

 

そして完成。

何かよく分からない。

焼いたじゃがいもにミートソースとチーズ、温玉を乗っけたやつだ。

 

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プルタブを引いてご飯開始。

じゃがいもをフォークで刺して持ち上げれば、にょーんとチーズが伸びてくる。

温玉はトロトロじゃなかった分、黄身が濃くてちょっと嬉しい。

全部まとめて、一口。

 

あー、求めていた味だな、と思う。

ジャンクっぽくはあるけど、洋風でちょっと優しい、食べたかった味。

 

こういうよく分からない創作料理が食べたくなることは多々ある。

どこかでレシピを見たわけでもない。

でもあれとあれをこうしたら多分美味しいだろうなー、あっ、食べたい、作ろうかな、なんてことがよくある。

 

だから私以外が食べたところで、それが美味しい判定されるかは謎なのだ。

でも、少なくともこのワンルーム

満足するのは私一人だから、なんでもやってしまえばいいのだ。

 

ビールにもよく合うせいで、あっという間に食べ終わって、飲み終わってしまう。

まだミートソースもどきはあるから、明日はパンに乗っけても美味しいかもしれない。バターを混ぜ込んだご飯の上に敷き詰めて、ドリア風にしても、マカロニの上に乗っけてもいいかも。いや、多分、絶対美味しい。

 

食べ終わったのにまた食べ物のことを考えつつ、私は上機嫌で食器を下げるのだった。