食べ物と私

食べます。

安物かき氷

一週間で使う額を決めている。

使う、と言っても食費や生活費諸々について。

コンビニを使ってしまえばちょっとぎりぎりになってしまう額。

けれど、親からの金という部分に負い目を感じない、自分の最低限の額だった。

 

そして、最終日に800円だけが残った。

800円。私としては贅沢ができる額だと思う。

外食してしまおうと思っていたので、のこのこと最寄りのコンビニへ足を運ぶ。

 

800円あれば400円のカレーだって、のり弁だって買えてしまう。

しかし、デザートもビールも欲しくなってしまう欲張りなので、主食はおにぎりとかその辺で我慢する。

偏食家みたいな食事になっているかもしれないが、何でも食べられるからこそ健康が疎かになるのだ。

 

そして、デザートは決まっている。

最近お気に入りのアレを買うことにする。

この夏、私が見つけた暑さの味である。

 

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コンビニで140円。比較的安くて、沢山入っている氷菓子。

 

お風呂上がり。

食べようとしたところでせっかくもらったはずのスプーンがどこかへ行ってしまった。

そのうち出てくるだろうと、仕方なしに銀のスプーンを取り出す。

 

一口食べれば、しゃく、と荒い氷に安っぽいソーダの味がする。

水玉模様のように配置されてるクリームアイスも、なんというか油っぽい。

 

安っぽいし、多分食べる人が食べたら美味しくないと思う。

けれど、私はこの夏、この子を何度もリピートしている。

 

美味しさもあるのだけど、味覚とは少し違った部分が喜んでいる感じがする。

夏の夜にふさわしい味というか。

 

かき氷は夏だと分かりやすくていい。

氷系のアイスは他にも沢山ある。

私はサクレがお気に入りだったのだが、この夏はそういえば食べていないと思う。

サクレよりこっちのかき氷を食べたくなるから。

 

アイスボックスは、小さな頃からの習慣で少し風邪の味がするからあまり買う気にはなれないのだ。

 

ふと屋台のかき氷が恋しくなって、そういえば家にかき氷機があったことを思い出す。

いつかのひどく暑い夏、かき氷でデザート代を浮かせようとした記憶。

棚の奥に仕舞われているが、製氷器も買ったことだ。少し活躍してもらってもいいかもしれない。

 

気がつけば八月も中盤。

時の流れの速さに少し怖くなる。

私が冷房の下でかき氷を食べているだけで、何もかもが進んでいってしまうのだから、ちょっと不安にもなる。

そういえば中華まんが始まると、コンビニで宣伝していたような。

 

私はこの夏あと何度、このかき氷が恋しくなるのだろう。

コンビニはあとどれくらい、このかき氷を売ってくれるのだろう。

 

何となく寂しくなって、また私はソーダ味を噛み締める。