久しぶりに人に会う。
大学時代の友達二人。
前に一度訪れたことのあるお団子屋さんへ。
少し並んだが、そんなに待つことなく席へ案内される。蒸し暑さから解放されてほっとする。
和風の店内。忙しなく動く店員さんとは対照的に何だか静かだった。
とりあえず、何となく会話を始める。
会ったのは半年ぶりだった。皆それぞれに大変そうなのは今に始まったことじゃない。
色々メニューがある中で、シンプルなかき氷を頼む。
推しが食べていたのもそうだが、この夏はなんだか氷を食べたい気持ちが強いのだ。
宇治抹茶みるく。
しばらく待っていると、友達が頼んだお団子のセットと共にかき氷が運ばれてくる。
崩さないよう、慎重に真ん中に向けて食べ進める。
屋台とは違う、ふわふわのかき氷だった。
ちゃんと抹茶の苦味もあって、美味しい。
時々シロップをかけながら、どんどん水になっていくかき氷にスプーンを入れる。
8月の半ば。気がつけば今年ももう四ヶ月を切っていた。
割り切れないことが多いのだと思う。
周りと比べて自分はどうかとか、自分がやってきたことにどれだけの重量があるのかとか、捨てられないものと受け入れられないこと、そして諦めてしまったはずのこと。
何かを語る時、どうしたってそれは武勇伝になってしまう。
出来るだけ素直に、出来るだけ優しくと思うが故に気持ちの悪いベールがかかったりするくらいなら、いくらか驕っている方がマシなのかもしれないけれど。
私は私の何を誇っていて、何を諦めていて、何が恥ずかしいのだろうか。
頭は回るのに、何もかもが分からなくなる。
頭だけが回る。その不和がずっと気持ち悪い。
人が並んでいたので、食べ終えてすぐに店を出る。
雨が降ったり止んだり、晴れたり曇ったり。
安定しない天気にいっそ怒りすら覚えてしまう。
久々に外に出たのだから、ちょっとくらい気を遣ってほしい。
何も言えないくせに色々なことに怒りを覚える。
私達はきっと異端なのだと思う。
こんなに考えることがあってもそれは無意味で、側からみればおかしな話なのだ。
そんなこと、きっとずっと分かってる。
分かっていて、合わせる気は毛頭無いのだ。
何となく私は私のままでは生きられないのだろうなと思う。
私を守るために早く死のうと思っていた時期もあったような。
今は少しだけ死から遠ざかっている気がするけれど、ずっと側にあるのだとも思う。
また雨が降る。傘をさす。