食べ物と私

食べます。

オレオと牛乳と私

動けなくなる。途中から。

さっきまで活動していたのにいきなりお腹が空いたのだ。

前までは何となく時間になったら補給のためにご飯を食べていたのだが、最近は作業に没頭することが多く、お腹が空いた時には既に手遅れになっていることがある。

今も、それだ。

 

冷蔵庫の中を軽く見てみる。

これ以上なにかやっても頭が働かないことは明らかだった。

しかし、案の定すぐに食べられるようなものは無い。

コーヒーで誤魔化すのも多分違う。

しかし、そこに鎮座している小さな牛乳パックと目が合った。

 

あ、牛乳があるのなら。

 

仕送りで送られてきた箱の中から青のお菓子を取り出す。

みんな知ってるオレオクッキーだ。

 

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さっそくグラスに牛乳をそそいで、袋を開ける。

なんかすごいカロリーらしい黒のクッキー。

個人的にそこまで暴力的な味はしないのに、不思議だなと思う。

 

何となくオレオは牛乳と合わせてしか食べたくない。

オレオ単体があっても少し物足りなく感じる。

だからここまで私に食べられず、オレオ達はこの家に居続けて生きたのだけれど。

 

しかし今、私の家には牛乳がある。

 

牛乳に浸すと、オレオを持つ手が震えた。本格的に糖分不足か何からしい。

限界までひたひたにして食べると、柔らかくなったクッキーと共にあまいクリームが溶けだしてくる。

駄目押しに牛乳を追加で飲むと、より満たされた気持ちになる。

 

一食の目安は3枚と書かれていたのに、6枚全部食べてしまう。二食分だ。

オレオに限らずだが、お菓子を途中で辞められる人は本当にすごいと思う。

けれどお腹は落ち着いただけで、満たされないから不思議だ。

さっき摂取したカロリーじゃ足りないのか。

 

でも、よく考えてみればカロリーの塊と散々言われている割に、オレオをさらに加工したスイーツが一杯あると思う。

オレオケーキなんかもひと昔前に流行らなかったっけ。

人間はどこまで行っても欲に忠実だ。

もちろん、私はマックフルーリーも大好きだ。

 

自分からオレオに何か手を加えたことはない。

というより、オレオが家にあること自体珍しい。

オレオは自分から買うお菓子じゃないけど、貰うとかなり嬉しいお菓子。

私とオレオの距離感はそんな感じである。

 

そして私はオレオの相棒、牛乳ともそんな感じの距離を貫いている。

このコンビが揃ったのはかなり奇跡だった。

おかげで私は一時の飢餓状態から救われた。

 

気が付いたら手の震えは止まっている。

多分、こんなに糖分が不足している時に食べる物ではないのだろうが、まあ私は人間なのでよしとする。

オレオとは違い、もちろん、一回で牛乳は飲み干せなかった。

残りは何に使おうか。