食べ物と私

食べます。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

原始的なグリルチキン

手羽元が好きだった。 食べやすさや食べられる量で言えば、既に骨と断ち切られている鶏モモ肉に軍配が上がるのに、骨から食べる、という行為自体がなぜか魅力的なのだ。 だった某原始人も某海賊も、肉と言えば骨付きのものを食べている。 ケンタッキーだって…

ずるいお名前コメダスペシャル

少し用事を終えた午前十時。 用事自体は九時半からだったのだが、思いのほか早く終わってしまった。 思えばこんなに朝早く外に出るのも久しぶりだった。 幸い天気もいい。このまま家に戻ってしまうのは何だかもったいない。 それに、朝食だってまだなのだ。 …

なりきれなかったオムライス

隅々まで見渡せるような空っぽの冷蔵庫を前に、私はとうとう買い物に行くことを決意した。 最近は忙しく、スーパーへ行くことさえままならなかった。 そのせいで冷蔵庫の女神、卵を数日切らしているという事態になってしまっていた。 生活が良くない証拠であ…

おひとりさまのお味噌汁

室内は寒かった。 結構な人数がいるにも関わらず、いや、だからこそ開け放されたドア、窓。 暖房は効いているとはいえ、壁際の先はどうにも寒い。 一旦脱いでいたコートを再度羽織り、それから巻いてきたマフラーを膝の上に乗せた。その時。 何かサワサワと…

新作の誘惑、スターバックス

これは少し前の話。 私はどうしても飲みたいものがあって自転車を走らせていた。 こちらからチェックしなくとも絶対にSNSで流れてくる、なんなら道ゆく人が片手にどんどん宣伝していく。 私のお目当ては、スターバックスの新作だ。 ところで、地元にはスター…

取り急ぎ、朝ごはん

お腹が痛くて目が覚める。 冷えてしまったのだろうか。何だか良くない。 朦朧とした頭の中で、人々の声が聞こえてくる。 ついでにブォー、という何らかの音。 戦か?なんて身を起こしてみるも、そんなわけはない。 大通りに面したこの部屋には、様々な音が響…

戦闘不能のアイスクリーム

何か作業をする時、ゾーンに入る時がある。 始めるまではツイッターだったり、他のアプリだったり、目移りしてしょうがないというのに、カチリ、とスイッチが入った瞬間、他の何も聴こえなくなる。 持ち帰ることが許されなくて、作業場でしかできない仕事。 …

どたばたレタス・サンドイッチ

備えることが多くなった最近。 夕ご飯の後、お腹いっぱいの状態で、私はパンにマーガリンを塗っていた。 明日の朝がばたつくことは分かっているのだ。 そんな憂鬱な負担を少しでも減らすため、私は今からサンドイッチを作る。 結構前に購入したレタスを千切…

高貴な焼き鳥丼

「居酒屋行かない?」 同居人にそう誘われて、もうずいぶんと言っていなかった鳥貴族へ足を運ぶこととなった。 もっとも今、禁酒中なので私は飲めないのだが。 理由もろともそのことを告げると、同居人は少しだけ呆れたような、怒ったような、そんな曖昧な声…

ごちゃ混ぜのファミレスパスタ

スターバックスにて、休日の夕刻。外はもう暗い。 ガラス張りの店内にはパソコンとにらめっこしている人ばかりだ。 みんな仕事だろうか。 こんな時間なのに、本当にご苦労様だ。 かくいう私も、友達を待つまでの間、パソコンを開いている。 はたから見たら私…

崩れた目玉焼きの行方

すっきりと起きられない、特に起きる必要もない朝。 きちんと朝食を取らなけらばならなくなって、とりあえずトースターをセットする。 昨夜のスープが余っていたな、と思いつつ顔を洗っていると、そのスープが入っていたはずのお皿が洗われている。 同居人の…

あの日のコロッケ、食べ歩き

お腹が空いた帰路。ちょっと寄り道して帰ろう、なんて悪い囁きに乗ってみる。 向かうはコンビニ。くるくると狭い店内を歩きつつ、常温のスナックコーナーで足を止めた。 いつもは世間の波に乗じてチキンを頼むところだが、無性にこちら、80円とチキンの半額…

早く帰ったフルーツタルト

気持ちのいい午後。 何となく気分じゃなくて、カラカラと自転車を押しながら帰り道を歩いていく。 早く家に着くより、ちょっと重い荷物を抱えながら音楽を聴きたいような、そんな曖昧な気持ちだった。 とは言え、実は帰っている場合ではないのだ。まだやるこ…

ボウルいっぱい、白菜のコールスロー

スーパーの野菜コーナー。 この頃安くなってきた葉野菜を吟味する。 野菜を食べる時、葉っぱは欠かせないような気がする。 にんじんもトマトもきゅうりもピーマンも立派な野菜ではあるのだが、やはりキャベツやレタス、そして白菜がいないと、何となくパンチ…

あの頃のまま、グラノーラ

午前九時、目を覚ます。 引き留めてくる布団をはがし、すぐさま上着を手に取った。 最近はますます冷え込みが激しくなってきたように感じる。 空腹、それでも食パンのない朝。 ここぞとばかりに私はずっしり重い袋を手にした。 『ごろっとグラノーラ』。 先…

冷たい私とキャンベルスープ

昨夜の酒で胃が荒れている朝。 水を飲むだけで、胃がきゅうと小さく鳴るのが分かる。 ついでにデジタル時計についている温度計は10℃をさしている。 こんな朝には、温かいものが一番だ。 とは言えやる気は出ず、秘蔵の缶詰コーナーから赤い感を取り出した。 …

のっぺりしょっぱい卵焼き

明日は何も予定がない、そんな楽園のような夜。 久しぶりに飲んでしまおうと思い立つ。 冷蔵庫をのぞくとビール、レモンチューハイ、9%のハイボール。 手っ取り早く酔っ払いたかったので、とりあえずハイボールを手にする。 もしそれで足りなければ二本目…

大人においしいキムチ鍋

冷蔵庫にあるキャベツを消費したい。 買ってきたもやしやキノコ、にんじんをキッチンで切りながら、すっかり元気のなくなったキャベツを見やる。 これは一週間ほど前に買ったものだ。 妹が来る兼ね合いで、長い間放置することになってしまった。 生で食べる…

バースデー・パンケーキ

目を開け、あまりの寒さに布団を引き上げる。 起きなければ……と、今日は思わなくてもいい。 にやにやしたままスマホに手を伸ばす。 このためにやるべきことは前日に終えていた。というか、昨日の0時からすでに始まっている。 今日は、他でもない、推しの誕生…

脳へのご褒美マリトッツォ

夕刻。暗くなってきた道の中。 私はコンビニへ向かっていた。 午後四時、五時。 このあたりの時間は、コンビニのためだけに外出することが多くなった気がする。 丁度、集中力が途切れてしまう時間帯なのだ。 いわゆる、糖分補給タイムである。 最寄りのコン…

期待と諦め、一人の朝

酷く眠い朝。どうやら昨日までの観光の疲れが取れていないようだ。 それでも行かなければいけない。私は大人なので。 独立洗面台などない我が家。顔を洗おうとキッチンに立つ。 つるつるする床に、嫌な予感。 案の定、何が焼かれたのか分からない、ただ茶色…

思うところ、ハンバーグ

妹との逃避行、最終日。 さすがに遊び過ぎた昨日、一昨日で体力は限界だったため、妹が前回、母と行ったらしい洋食屋さんに行くことに。 この三日間で、妹は母のことを傲慢な女だと、そう言った。 酷く仲が悪いわけではないと思う。家の状況を見ていないから…

欲張りエッグベネディクト

妹との逃避行、二日目。 朝から何も食べないまま、妹ご所望のカフェに直行。私も引っ越してから初めて来た、『Eggs 'n Things』である。 ハワイ調の店内。やはり旅行先でも祖国が恋しくなるのか、外国人の家族がひと組、席についていた。 ここの大目玉はなん…

いつもと違う、ビフテキ屋さん

地元とは異なる、広過ぎる駅。 何番出口から出たのか、今どこにいるのか。 駅に集合と言いつつ、互いの居場所が分からぬまま電話を繋ぐこと数分。 キャリーケースを携えた、久々に見る姿。 今日から数日、妹が私の家に泊まりに来るのだ。 ほぼ成人済みの私達…

厄日に甘味、ソフトクリーム

例えば赤信号に引っかかることが多かったり、ハンカチを忘れたり。 自分のせい、運のせい。 そんな何かの要因が重なって、なぜか悪い方へ、悪い方へと転がっていく、そんな日。 良くない日。何となく、ダメな日。 一時間だけさぼってしまおうと、昼過ぎにも…

深夜のあったか、トマトスープ

少し疲れて帰ってきた夜。 お風呂を済ませ、スマホを片手にごろごろとベッドに横になる。 けれど、目は冴えている。何となくハイになっている感じ。 一日中やりたいことをやっていたからか、日は沈みきっているというのに、私はまだまだ元気だった。 追撃の…

気になるままに、ピスタチオシロノワール

今日は作業が佳境。 日光の入らない部屋では眠くて仕方なく、午後三時、ようやくいそいそと部屋を出る。 目指すは『コメダ珈琲店』。もう作業のお決まりととなってしまったお店だ。 少々にぎわい気味の店内、一番隅の二人席に着く。 本来ならまずはコーヒー…

真夜中にシュークリーム

小さなころ、夕食後には必ずデザートがついてきていた。 大概はフルーツ。お菓子だったり、スイーツだったり、とりあえず甘味系が多かったように思う。 あの頃はそれが普通だったが、今考えれば随分と贅沢な話だ。 そしてあの食生活で太らない母はやせ体質な…

一枚向こう側、ミートボールスパゲティ

ミートボールスパゲティが食べたい。 そう思ってから、私の行動は早かった。 ミートボールスパゲティと言えば、かの有名なルパンの映画、『カリオストロの城』に出てくる次元とルパンが取り合うスパゲティなのだろうが、近年、私の中でそれに付随したもう一…

お腹いっぱい。シェイクシャック

久々にどこかに行こう。 そんな同居人の言葉で、何もない休日、少し都心に足を進めた。 なんで誘われたのか。何となく理解はしている。 理解しているだけでそこに乗るかは別問題だったが。 「どこか」の行先は私が決めるらしく、パフェかハンバーガーかで迷…