食べ物と私

食べます。

何もしない日の欲張りトースト

怒涛の三日間を終えた、久々の休日。

目覚ましをかけないで寝て、九時に目が覚めた。昼まで寝ておけばいいものを、何とも健康的である。

 

しかし、起きたと言っても休日。

もう一度ベッドに戻って、スマートフォンと時間を過ごす。寝てる時と変わらない体制だが、今日は、今日だけは何もしないと決めていた。

 

何もしない日。これを作るのは、個人的に結構難しいことだと思っている。

空いている日があれば、人間用事を片付けてしまいたくなったりするものだ。

 

買い物に行っておこう。掃除をしておこう。洗濯をしてしまおう。

 

もちろん家事やその他の行動も大事だ。

でもやっぱり私が忙しい日々を過ごす上で、何もしない、抜け殻のような日は絶対に必要だ。

 

だから、封印するのだ。

買い物も掃除も洗濯もしてはいけない。「しなければ」と思うことを徹底的に封じてしまう。

そうすると、もう休めることしか選択肢が無くなる。

駄目な日を決めてしまえば、その日にいくら駄目になろうが全く問題ない。罪悪感に駆られることもないのだ。

 

それに、そんな中で時々「したいこと」が顔を出してきたりする。

そんな時は抗わず、したいことをするようにしている。

「したいこと」はお菓子作りだったり、本を読むことだったり、映画を観に行くことだったりする。

時に掃除や洗濯より重労働かもしれないが、そこは気持ち次第だ。

「しなければ」と「したい」では全然違うから。

 

そんな愛すべき自堕落な日の空腹には、簡単で好きなものに限る。

 

だいぶ前に作って冷凍しておいた鶏そぼろを解凍し、トースターを予熱する。

その間にパンの準備。まずはバター、そして食パンを縁取るように鶏そぼろをのっける。

続いて、真ん中に卵。最後にチーズを被せれば、欲張りおかずパンの下準備は終了。あとは焼くだけだ。

 

いつもより長めにセットしたトースターが完成の音を鳴らし、天板を取り出す。

お皿を出すのも面倒だ。今日はこのまま食べてしまおう。

 

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何もしなくともお腹は空く。

急かされるように一口食べるも、熱い。伸びるチーズが口の中で暴れ回っている。

 

少し冷ましたあと、もう一度トーストを口に運ぶ。

今度はちゃんと鶏そぼろの旨味とチーズのまろやかさ、そして半熟卵のとろとろとした美味しさを感じられた。

 

やりたい放題のトースト。大成功である。

 

食べ終わって一息ついて、また私はベッドへ戻る。

だって今日は何もしない日。逆に言えば、どんなことをしたっていい日なのだから。

 

飽きもせずブルーライトを浴びながら、私は怠惰な日をこれでもかと味わうのだった。