死にもの狂いでやることを終わらせた昨夜。
ご褒美に楽しんでやろうと思った、ストロングゼロのロング缶も半分ほどしか飲めず、眠りの海へいざなわれてしまった。
しかし、それが功を奏したのか、寝覚めはいい。
今日は休日。絶対に趣味にあててやると誓った休日だ。
休日は起きた瞬間から気分がいい。
寒さが本格化してきたこともあり、布団から出たくないと駄々をこねる体をあまやかし、存分に携帯をいじる。
適当な短い動画に飽きたら、メモ帳を開く。
私の趣味はスマホ一台で完結してしまう。
ちょっと恥ずかしいので詳しくは割愛するが、とどのつまりあと一か月足らずで推しの誕生日なのだ。
メモ帳を開き、Twitterを開き、またメモ帳を開き、気づいたら動画を見ており、メモ帳に戻る。
自分の体温で温かくなった布団の中で、目線、そして指先だけを動かしていく。
文字を打つだけなんて、やってることは普段と変わらないのに、100%のやりたいことで構成されたこの時間は、至福以外の何物でもなかった。
しかしやはり頭は使うし、プロでも何でもないのですぐに息詰まる。
こういう時は気分転換に限るのだ。
それに、このままでは本当に布団から出ない。
ちょうどいい機会とばかりに布団から抜け出し、身支度を整えて、キッチンに立つ。
どうせなら昨夜の不摂生を跳ね飛ばすような、それでいてテンションのあがる朝食がいい。
冷蔵庫の中身も申し分ない。そんな朝食といえば一つしか思い浮かばなかった。
どうせなら豪華にしてやろうと、フライパンに卵を落とす。
ふかふかのままの食パンにバターを塗り、千切ったレタスをこれでもかとそこに乗せる。
それから薄いハムを四枚、チーズを一枚。
最後に両面焼きにした目玉焼きをのせ、パンの蓋で押さえつければ完成だ。
サンドイッチに入れるときだけ、私は目玉焼きを両面焼く。
ちょっとドキドキしながら、馴染んだサンドイッチにそっと包丁を入れる。
開いてみれば、少しだけ黄身がとろけてくる。大丈夫。いい具合の焼き加減だ。
もうこのブログでも何度か出てきているサンドイッチ。
そのうちカテゴリーを作ろうかなとも考えている。
大口を開けて齧り付けば、シャクシャクのレタスと共に、まだ温かい目玉焼き、その熱に溶けたチーズ、しょっぱくて元気なハム、そしてふわふわのパンが口内を満たす。
いっぺんに元気になれるような、そんな味。大好きな味だ。
今日は見た目もかなり上出来だったから、かなり気分が上がってしまう。
具材をこぼさないため、もうお皿の上に戻せなくなったサンドイッチを崩れないように持ったまま、机の上に目を向ける。
午後12時を指すデジタル時計。
文字通り、今日はまだ始まったばかりだった。