食べ物と私

食べます。

あの頃とマックシェイク

昼過ぎに業務を無理やり終わらせる。

向かったのは100均。排水溝掃除のためのぬめりとりと、栓抜きを買う。

 

店を出て、ちょっと目に入るMの文字。

今回のお目当てはこっちだったりする。

 

550円に値下げされているビッグマックのセット。

これに20円プラスして、飲み物をシェイクのМサイズにしてもらう。

昨日から広告で何度か見ていた、カルピス味のシェイク。

これが飲みたかったのだ。

 

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4年ぶりのリニューアルらしい。

実は4年前も、私はこのシェイクを飲んでいた。

美味しかったのを覚えていたから、今年も飲んでみようと思ったのだ。

 

当時は、大学生だった。

そしてこのカルピス味のマックシェイクを気に入っていた子がもう一人いたことを、私は覚えている。

 

その子の話に入る前に、多分、これを読んでくれている友人Iに。

もしかしたら、これから先はちょっと読まない方がいいのかもしれない。

嫌な気分にさせてしまうかもしれないから。

 

その子とは大学の一回生から一緒に行動するようになった。

ショートカットが印象的の、綺麗な子だった。

私はその子のことが大好きだった。

 

ちょっと引っ込み思案な所があった子だった。それと、考え込みやすい子だった。

だからちょっと輪から外れたり、だんまりになったり。

そういうことが多かった。だから、声を掛けていた。

これは私のエゴなんだろうけど、やっぱり集団の中で誰かがずっと喋らないのは、ちょっと気になってしまうから。

 

でも、ある時、その子のそんな性格が顕著に出た時があった。

そこでちょっと、私の中で何かがちょっと切れてしまったのだ。

 

あーあ。

何で私がこんなに振り回されてるんだろう。

振り回されなきゃいけないんだろう。

 

そんな気持ちが湧いてきたから、もうその気持ちを見て見ぬふりすることは出来なかった。

 

その一件以来、私はその子に対して気を使うことを辞めた。

無視するとか、そういうことじゃない。

けれど、例えば何も話していないその子に、話を振ることを辞めた。

例えば一緒に帰りたそうにしているけど、誘うのを辞めた。

完全にこちらが受け身になって、思考を止めた。

 

嫌いになったわけではない。ただ、意図的に意識を減らした。

 

多分、間違えたのだと思った。

人との距離には丁度いいものがあるのに、私はその子との距離を詰めすぎてしまった。

その子は悪くないと心から思っている。だって気持ちの理解はできるのだから。

これは単なる私の自爆だった。

 

周りの皆は気が付いていたのだろうか。気がついていたのかもしれない。

でも、少なくともその子は私の変化に気が付いていた。

けれど、私は何も言わなかった。

 

マックシェイクを一口飲む。

何だか、前より酸味が減ったように思えた。

あの頃の味は、きっともう戻らない。