食べ物と私

食べます。

特別と特別

全ての準備を整えて待機する。

待ちに待った今日。もう業務は残っていない。

トラブルによって1時間押してしまっているが、その間ももうずっとドキドキしっぱなしだ。

 

今日、推しのライブがある。

 

とはいえ、私の推しは画面の中の人なので、当然ライブも画面の中で。

そこまで意識の高いオタクではないのですっぴん、化粧もせず、ジャージのままヘッドフォンをつけてスマホを見つめる。

推しと出会って一年半。初めてのライブだった。

 

現場の空気は味わえないが、このライブの良いところは人目もはばからず声を出せることだ。

部屋の照明を完全に落とし、画面に向かって叫び続けること1時間。

 

結論から言うと、めちゃくちゃ良かった。

想像以上。キャラクターが生きていた。あれは絶対に実在していた。だって目が合った。というか歌が上手い。

 

興奮冷めやらぬまま、一旦浴びた情報を処理しようとシャワーを浴びる。

流れるように進んでいくライブ。4人だったり5人だったりするせいで推ししか目で追えない。しかも衝撃で見た側から忘れてしまう。

 

風呂場から出ても放心状態のまま、おもむろに冷蔵庫からソーセージを取り出す。

フライパンで焼く。

 

続けざまに瓶ビールと、この前買った栓抜きを持ち出す。

 

ライブが終わった後、一人で打ち上げをしようと決めていた。

一人パーティーだ。

 

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ドイツのビールということで安直にもソーセージを添えている。

パリっとした触感に、ふわりと香るレモンとハーブ。

このソーセージが私は一番好きなのだ。

ビールは注いでみると黒ビールだった。

独特な苦みを持ちつつ、やはりどこか軽い。ごくごくと飲めてしまう。

 

これまで生きてきた中で、人並みにライブは行ったことがある。

最初は両親に連れられたドリカム。次に好きないきものがかりと、セカオワ、米津玄師。

どれもこれも楽しい思い出だ。

インドアの私でも、ライブとなればそれなりにテンションは上がるし、人ごみもまあ我慢できる。

つまり、それ程にライブは特別ということだ。

 

今回は初めて二次元のライブに参加したが、本当に、本当に夢のような時間だった。

やはり画面越し、距離は感じるものの、私が思ったよりライブで。

私達とキャラクターが触れ合えることというよりは、キャラクターがその場で考えて喋っている、踊っていることに感動を覚えた。

 

推しは私にとって特別で、その特別が開催する、特別なライブ。

それはもう供給過多だ。

 

幸いスクリーンショットはOKとなっていたため、写真フォルダを見返す。

間違いなく今年の写真をゆうゆうと埋め尽くすスポットライトの色を見て、私は苦笑しながらまたアルコールを傾けるのだった。