食べ物と私

食べます。

ちょっと不服なガパオライス

近所にでかいスーパーができた。

発見したのは昨日のこと。いつも通っているスーパーの二軒先に、めちゃめちゃな数の警備員の人が立っていたのだ。

 

何事かと見れば、スーパーらしき看板。

これは、と、昨日は一旦撤退したものの、浮気者の私は今日、いつものスーパーにはめもくれず、新参者の偵察とばかりに新しいスーパーへと足を運んだ。

 

結果、でかかった。本当にでかい。

そして多い。品数も、人も。

 

そもそも立地的に仕方のないことなのかもしれないが、今まで通っていたスーパーは私にとって少し苦しかった。

小さくて品揃えが悪いところもそうだが、何と言っても通路が狭い。カートひとつ通るのがやっとで、すれ違うことができないのだ。

スーパーでUターンできないのは痛かった。

 

それに対し、大きさだけで言えば新参者のスーパーは倍だ。いや、三倍かもしれない。

通路が悠々としていることはもちろん、トマト一つにも多くの種類が置いてあった。付属のパン屋さんまである。まるで天国だった。

 

しかし、オープンから日の立っていないスーパー。とにかく客が多い(言うまでもなく私もそのうちのひとりである)。

おまけに慣れていないこともあり、どこに何があるか全然分からない。

 

ぐるぐると迷子のようにカートを押し、人に揉まれ、今日はそれだけで疲れ果ててしまったのである。

結局、私は急遽必要だった不織布のマスクと昼ごはんだけをカートに入れ、とっとと退散してしまった。

 

夕飯の時刻になり、流しっぱなしだった水道の蛇口を閉じる。

その水に当てられていた鶏むねのミンチが解凍されていることを確認し、私は玉ねぎとニンニクを刻んだ。どれも今日じゃない、いつかの戦利品である。

 

本当はいいものが買えたらそれを晩御飯にするつもりだったのだが、仕方ない。

幸い、あるものだけでもなんとかなりそうな予感もするのだ。

 

不満げな自分をなだめつつ、目玉焼きを作り、フライパンからひきあげる。

そのままのフライパンに刻んだ玉ねぎ、ニンニクを流し入れ、いつかの鶏ミンチを投入。いい感じになったところに酒と醤油、みりんと七味。

 

ここで砂糖を入れてもいいのいいのだが、生憎砂糖を切らしていた。

これは本当に買わなければいけない。

 

煮詰めた肉と、先ほどの目玉焼きをご飯にのせれば、なんちゃってガパオライスの完成だ。

 

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とりあえず、一口。普通に美味しい。想像通りの味である。

ガパオライスと言ってはいるが、なんせ本場のそれを食べたことがないので今目の前にあるこれがどれほどガパオライスに近いのか、私には分からない。

 

まあでも、変なものは入れていない。まずくなりようがなかった。

料理は優しい。スーパーに気圧された私でも、大抵何とかなるものである。

 

とは言え、次こそはもっと買い物らしい買い物をしたい。特に、砂糖は買わなければ。

そんなことを思いスプーンを動かしながら、でかいスーパーとの付き合い方を考える今日この頃なのだった。