クリスマスケーキ、誕生日ケーキ。
私の家は昔から記念日にはホールケーキを買うか作るかしていた。
しかし、何といっても特別な日。食事も豪華だ。
必然的にそれを食べた後、ホールケーキまるまる一個は食べられなくて。
だから大体その次の日は朝ごはんはケーキになる。
昨日のお祝い。
二人じゃホールケーキは食べ切れないので、バラ売りのケーキをいくつか見繕っていたものの、サムギョプサルでお腹はいっぱいになってしまった。まぁ大方予想はついていたが。別腹も歳とともに小さくなるのだろうか。
ということで今日はかなり甘くて、少し豪華な朝ごはんである。
主役だった人のケーキはショートケーキ。私は美味しそうだった『紫芋のモンブラン』だ。
もちろん私にとっては別に特別な日ではないので、ケーキを食べる必要はないのだが。
秋らしくて、ハロウィンっぽくて。
思わず買ってしまった。
ケーキ屋さんはペコちゃんで有名、『不二家』。
ケーキ屋さんに行くといつもワクワクしてしまう。
色とりどりの甘いケーキ。
ふわふわとしたクリームに、宝石のようなフルーツ、可愛らしいフォルム。
店員さんが見ている前で目移りしてしまう。
これが食べたい!と決めてケーキ屋さんに行ったとしても、ダメだ。
だってあれもこれも美味しそうなんだもの。
結局数分迷った後、選んだモンブラン。
モンブランだけでもかなり種類があって、注文する時に店員さんを困らせてしまった。
大きなフォークで一口、切り分ける。
フォークの上にはたくさんのクリーム。というかほぼクリームだ。
口に運べば、ねっとりとした紫芋の美味しさが広がる。
クリームの多さに比べて、甘味は少ない。自然な甘さという感じだ。美味しい。
スポンジは柔らかく、上に乗ったナッツの香ばしさがさらに秋らしさを感じさせてくれる。
少し薄いアイスコーヒーを飲みながら、するすると食べ進めてしまう。
ケーキを食べ終える時が一番悲しい気がするのは何故だろう。
包み紙に残ったクリームまでフォークで掬う。名残惜しい。
翌日のケーキ。これを食べ終えてしまった時こそが祝い事の本当の最後だ。
甘いもの好きの私。
一人暮らしになっていつでもケーキを買える環境になったものの、やはりケーキは普段から食べる気にはならない。
特別な日と言ったらケーキ。ケーキと言ったら特別な日。
きっとこの方程式はずっと変わらないのだろう。
カトラリーをしまいながら、次ケーキを買うのはいつだろう、と胸を躍らせるのだった。