食べ物と私

食べます。

気になるままに、ピスタチオシロノワール

今日は作業が佳境。

日光の入らない部屋では眠くて仕方なく、午後三時、ようやくいそいそと部屋を出る。

目指すは『コメダ珈琲店』。もう作業のお決まりととなってしまったお店だ。

 

少々にぎわい気味の店内、一番隅の二人席に着く。

本来ならまずはコーヒーでも頼んで作業をするべきなのだろうが、生憎今日は何も食べていなかった。腹が減っては戦は出来ない。

 

それに、今日ここに来たのは、ある目的があってのことだった。

さっそくお目当ての品を注文し、ちょっとスマホをいじって待つ。

そして届いた、おおきな緑色のシロノワール

期間限定の、ピスタチオの味だ。

 

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少し前に看板で見かけてから、気になって仕方なかったのだ。

調子にのって普通のサイズを頼んでしまったこともあり、大迫力の幸せである。

 

少し小さめのフォークで一切れを持ち上げる。大きい。

そこに四角いスプーンを使い、アイスクリーム、そして緑色のピスタチオソースを乗せ、大きく一口。

 

さくっと温かいデニッシュ生地に、じゅわりとソフトクリームがしみ込んでいく。

そこに香ばしいピスタチオのソース。これがめちゃくちゃに美味しかった。

さらに空腹というスパイスも加わり、全部がとにかく幸せで、思わず笑みが零れてしまう。

 

一人でにたにたしているのも大層気持ちが悪いことは分かっていたが、まぁ、誰も見ていないことを祈るとしよう。

 

最初の心配はどこへやら、結局一人でぺろりと食べ終えてしまい、なんとか作業を開始する。

今週末から怒涛に予定が詰まっているのだが、そう、来週の金曜日は推しの誕生日なのだ。しかも、はまってから初めて迎える推しの誕生日。

それまでにどうにかこの三万五千字を完成に導かなければならない。

そのためには今日、それから明日が勝負なのだ。

 

スマホの充電がなくなるまでいようかな、なんて思っていたが、壁際にコンセントをみつけてその考えも却下。

出来るところまで、スパルタコースに変更だ。

 

途中、何度か物腰穏やかな店員さんがお冷をついでくれた。

こういう時に華やかに返事が出来たらいいものだが、やっていることがやっている事だからか、かなり挙動不審なお礼になってしまう。

すっぴんでこういう所に出向いてしまうのも、ちょっと影響しているような気もする。

 

近くのカウンター席に座っていたカップルが帰ってしまったのを見届けて、もう一杯、コーヒーを注文する。

両手の親指を動かしながら、着々と物語を進めていく。

やはり家にいるより断然やる気が出ている。

 

それはきっと、念願だったあのあまいあまい原動力のおかげでもあって。

 

コーヒーが到着して、また私はおずおずと頭を下げる。

このコーヒーがなくなるまで、あと少し。