食べ物と私

食べます。

諦観トースト

昨夜、ひょんなことから同居人と話をした。

全くそんな雰囲気ではなかったのに、いつの間にか真剣な話。

 

ゆっくりと、それでも着実に。

言われたら傷つくような事を言ったと思う。

「貴方は悪くない」なんて呪いめいた言葉と一緒に。

同居人への配慮を考えられる時期は、とっくに終わってしまっていた。

 

話している間中、伝えていることが上滑りしていく感覚は、あれは一体何なのだろう。

私が口下手なのがいけないのだろうか。

それとも、そもそもが噛み合っていないのか。

 

どちらにせよ、何だかどうでも良かった。

酷く独りよがりな話だが、だって私の中で全てのことは決着がついているのだ。

 

諦め、なんて、一夜の話し合いで解決できるはずもないというのに。

 

家事をしたって行動を改めたって。

きっとそこに私の欲しい想いなど存在していないのだろう。

 

傷つけておきながら、なんて身勝手!

でも悪い事をしたなんて、正直これっぽっちも思っていないのだ。

 

そんなこんなで目覚めた朝。

とりあえず胃に何かを入れなければいけないので、豪勢な朝ごはんを作ってみる。

といっても少し手間がかかるだけなのだが。

 

卵を二つ、茹でる。

普段は半熟がお好みだが、今日は硬めがありがたい。時間も測らずに放置。

焼けたトーストにはハムを敷く。

 

茹で上がった卵の殻を親指の腹で剥き、フォークで潰す。

そこにマヨネーズ、マジックソルト、胡椒、そしてマスタード

 

混ざり合ったそれをトーストの上に乗せれば、たまごサラダとハムのトースト、出来上がり。

 

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しっかりとしたトーストを一口。

さくり、とした食感の上、肉肉しいハムと、まだちょっと温かいたまごサラダ。

滑らかなな卵とマヨネーズの中に、ちょっとマスタードや胡椒の刺激が感じられる、いい塩梅である。

 

写真に、ラップがかかっているのは言わずもがな。

トーストは二つあった。

私は二枚、トーストを焼いたのだ。

 

そこに何か想いがあったとするのなら、自分の朝食だけ作る嫌な女になりたくなかったから、の、一点だけだろう。

 

何もかも破綻していると思う。矛盾だらけだ。

酷く機械的だとも思う。心が薄いとも。

 

全部飛び出してしまえたらいいと思うのだ。

何もかも捨てて一人、生きていきたい。

そしてそれはきっと今、私の中では可能な話だ。

 

もうどうにでもなってしまえばいい。

隣に誰がいようといまいと、結局、一人で泣く夜が減ることは、きっとこの先ないのだから。

 

また何かを諦めて、私は一人分のお皿を洗う。

温かいお湯、荒れた手が痛い。