食べ物と私

食べます。

困ったはちみつ、フレンチトースト

五度目のアラームで目を覚ます。

少しだけ用事のある日。後少しだけ目を瞑っていたいけど、いつまでも寝ているわけにはいかなかった。

 

慌ただしく過ぎていくこの時期。

窓から見える空は暗く、天気予報では雪が降るらしい。

エアコンの入った部屋からどうにかキッチンへと向かう。部屋以前に、ベッドからも出られなくなってしまうから寒さは苦手だ。

 

今日の朝食は昨日の晩から決まっていた。

お決まりのフレンチトーストだ。

理由は単純に食べたかったのと、せっかく牛乳があったから。

我が家に牛乳があるタイミングは限られている。狙わなければ、いつ食べられるか分からないのだ。

 

三温糖と牛乳を混ぜた卵液の中に食パンを浸しつつ、丁度いいとお湯を沸かす。

甘いものを食べる時は、苦いコーヒーがどうしても欲しくなるから。

 

お湯が沸くのを待っている間に、冷蔵庫にあった4パック入りのヨーグルト、最後の一つの封を開けた。

朝食を作る合間に何かを食べるなんて、食いしん坊もいいところだ。

それでもきっと、食べられないよりはいいのだろう。

それに、このヨーグルトは賞味期限が今日までだったのだ。

 

仕方ない、仕方ないと唱えつつ、朝食の続きを作る。

湯気を出すヤカンをどけて、フライパンにバターを溶かす。浸かり過ぎて少し崩壊気味のパンを乗せ、焼いたら完成だ。

おまけにチーズも乗っけておく。今日はとことん欲張りな朝である。

 

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カロリーの仕上げにはちみつを、と、瓶を手にして少し顔をしかめる。

 

リビングに置いていたはちみつは、辛うじてとろみを保っているが、下の方は白く凍りつきつつあった。

はちみつは大好きなのに、いつもひと瓶使い切る前に冬が来て、凍らせてしまうのだ。

 

それを見越して今年はキッチンの収納ではなく、リビングの棚に置いてみたのだが、残念ながら効果は無かったようだ。

夏にハチミツレモンを作ったりなんだりしてみれば、多少は消費できるのかもしれないが。

 

そんなわけで、少々ざらついたはちみつをかけ、パンの熱で溶かしつつ、一口。

崩壊したおかげか、なんだかいつもよりもプルプルに仕上がったパンに、チーズの塩気、はちみつのツンとくるような甘さがプラスされる。

 

一気に血糖値が上がっていく感覚。

身体が起き出すような感覚だ。

 

ちょっと熱すぎて飲めないコーヒーに恐る恐る口をつけつつ、チラリと時間を確認する。

実はあまりゆっくりしていられる状態でもないのだ。

 

急がなければ、と思いながらも、朝食をゆっくりと楽しむ。

この時間で私は今日も少しだけ、頑張れるのだ。

 

寒空の下、暖房の効いた部屋の中。

今日もパソコンが私を待っている。