食べ物と私

食べます。

優しいコンビニ、梅茶漬け

くたくたに疲れて帰ってきた日。

 

久々に始動したからだろうか。慣れないことをしたからだろうか。それとも、この寒さのせいか。

今にも閉じそうな瞼をこじ開けながら、コンビニの袋をドサリと机の上に置く。

そのままクッションの上に倒れ込んだ。

 

半日の行動でこれだけの疲労だ。

本当に社会人の人たちはどうやってこの世を生き抜いているのだろうと、いつも不思議になる。

週五日、しかも八時間も働くなんて、絶対に、絶対に私には無理だ。

 

床が冷たく、結局起き上がる。

こう言う時は何も考えず、ただひたすらに行動したほうがいいことを体が知っていた。

 

とりあえずこんな状態で何かを作るなんて、とてもじゃないけど無理なので、コンビニで買ってきたものを温める。

 

こっちに引っ越してきてからと言うもの、かなり頻繁に足を運ぶようになってしまったコンビニ。

引っ越す前は節約のために自制していたのだが、そうも言っていられない心の余裕になってしまった。

 

重なる出費に多少の罪悪感を抱きつつ、一方で仕方のないことだとも感じる。

お金で手間を買うのも何だかんだでアリだとは思うのだ。

 

温まった、少し豪華なお茶漬けを取り出す。

ほら。帰ってからボタンひとつ、3分で暖かいご飯にありつけるのだ。

綺麗な彩り。

ちょっとだけ、心にゆとりが出来る。

 

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梅干しを崩しつつ、すするように一口。

優しいお出汁の味が、喉を通って体を中から温める。梅干しの酸っぱさも相まって、少し元気をもらえるようだ。

所々にはカリカリとした歯応え。正体はわからなかったが、美味しかった。

 

疲れた時こそご飯を食べろ、とはよく言うが、そもそもご飯を調達するのにもエネルギーが必要なのだ。

そんな私はご飯を作る前にちょっと何かを食べる、なんて、ちぐはぐなこともよくしている。

 

とにかく、疲れた時は何もできない。

ご飯を作るなんて、もっての外だ。

 

もう一歩だって歩きたくない日、お風呂だって辞めてしまいたい日。

そんな日にコンビニは、とてもとても私達に優しいのだ。

 

食べ終わった容器を放置して、そのまま後ろに寝転んでしまう。

お皿を洗う必要だってないのだ。

本当に、なんて優しいのだろう。

 

エネルギーを注入して、少しだけ動くようになった体。用事を済ませるため、早く動かなければせっかくの暖かさが途絶えてしまうことを分かっていても、横になる心地よさとブルーライトは私を離してくれない。

 

コンビニへ寄る習慣がなくなるのは、今からどれくらい先のことなのだろう。

うつらうつらしてきた頭でそんなことを考える。

 

明日は気力があればスーパー。

きっとなければ、優しいコンビニだ。