食べ物と私

食べます。

メイクアップと野菜スープ

急遽用事が出来て外に出なければならなくなった。

 

夕方だけの用事と言うこともあり、寝ぐせ祭りの髪の毛を整えつつ、メイクをしていこうか否か、ちょっと迷う。

自分の顔に自信があるわけでは決してないが、頓着は無いため、多少の用事ならノーメイクで外へ出てしまう私である。

しかし、結局下地を手に取った。

一時間の用事のために費やす10分間の始まりである。

 

私にはあまり美意識が無い。

そもそも欲求が食と睡眠に偏り過ぎている人間なのだ。

YouTubeで見るのももっぱら食べ物関連ばかりだし、お金だって結局多くを食費に費やしている気がする。

 

下地にファンデーション、アイシャドウに、気が乗ればアイライン。

 

私のメイクと言ったらせいぜいこれっぽちだ。

メイク用品もスキンケアにも、興味とこだわりがない。

唯一のアイメイクだって、製品の裏側に記載されている通りにやっているだけだ。

要は20代半ばにして、正しいメイクの方法すら私はよく知らない。

 

以前、デパコスを買いに行くという友達についていった所、勝手が分からな過ぎて眩暈さえ覚えた。

私はいつまで薬局の、しかもその中でも安い方の化粧品で浮かないでいられるのだろうと思いつつ、デパコスを欲しいと思ったことはいまだに一度もない。

 

そんな私でも、少しだけ美に気をつけようと思う周期が来る。

これは完全に気分なのだが、ちょっとした用事でもメイクをしてみたり、普段は着けないマスカラをつけてみたり。

夕方、一時間だけの用事にメイクをする気になったのも、きっと今、心がこの気まぐれな「美、強化週間」になっているからだろう。

 

そして、それはもちろん食生活にも現れる。

 

たくさん食べること、甘いものを摂取することがモットーの私でも、この期間だけは爆発的に野菜ばかりを食べたくなる。

というわけで今日の夕食は昨日の残り、野菜たっぷりのスープだ。

 

 

 

素顔にパジャマ。用事を終えてすっかりおなじみの姿になり、スープをすする。

にんじんにキャベツ、えのきと玉ねぎ。

ぎっしりと詰まった野菜たちにコンソメの優しい風味が沁み込んでいる。

体も心もほっとするような、優しい味だ。

 

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毎日野菜スープだけの晩御飯にすれば、つまめる脂肪も少しは薄くなってくれるだろうか、と、当たり前のことを考えてみる。

しかし、大概そうなる前に美の強化週間が終わってしまうのがオチだ。

 

唐突に衝動に駆られてはいつしか消えていく、私の綺麗になりたい欲。

はてさて、今回はいつまで続くだろう。

遊ぶように思いながら、温かいコンソメスープをそっと飲み干すのだった。