食べ物と私

食べます。

夢と現実、味の見えないドーナッツ

引き続き、夢に懐かしい人ばかり出てくる

母、父、祖母、祖父、高校の友達、エトセトラエトセトラ。

二日連続で小学校の頃の通学路まで出てきてしまう。

 

実家に帰りたいのだろうか、と思ってみても、いまいち実感が湧かない。

呼ばれているのだろうか。

何となく居心地が悪いまま、午前八時に目覚める。

これはこれで健康的な朝だ。

 

昨日まで堕落した日々を過ごしていたので、そろそろ頑張らねばとパソコンに向かう。

休み倒したからか、何となく調子が良かった。

静かな部屋に音楽だけが響いていて気持ちがいい。

集中しやすい感覚があった。

 

最近は夢見の悪さから、二度寝してしまい午前中十時頃に起きるのがお決まりとなっていたが、やはり午前中の方が頭は動く。

 

カタカタとパソコンを鳴らしていると、不意にピンポン、という音。

そういえば今日は実家から仕送りが届く日だった。

 

印鑑は省略。

無くしたとばかり思っていて、最近出てきたカッターナイフでダンボールを開けた。

 

中からはいちご、みかん、お米、チョコにお菓子、その他生活用品。

助かるな、と思いながらナマモノだけ冷蔵庫に入れ、パソコンに向かう。

 

本当に、やけに静かな日だった。

頭がスッキリしているような、反対に、まだ夢の続きにいるような。

 

私が読んだ本に、『ちいさなちいさな王様』という大人向けの絵本がある。

その中で、「夢が現実で、現実の方が夢なんだ」という概念があったことをぼんやり思い出した。

おかしな考え方だけど、ちょっと楽になる考え方でもあると思う。

 

ここのところ毎日のように襲ってきていた眠気が来ないのも、実はこうしてパソコンに向かっている私が、本当は今眠っているからなのかもしれない。

 

そのまま順調に作業を終えた午後4時、同居人がドーナツを持って帰宅してくる。

ちょうどピンポイントでドーナツが食べたかったので驚く。

それに本当に最近は同居人が何か買ってくることが多くなったが、これも夢だからなのだろうか。

 

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真ん中と右端のをどうぞ、と言われたので、真ん中のドーナツに手をつける。

 

サクサクとした小さなあられが口の中で弾け、ふわふわのパンと甘くてもったりとしたクリームが口内を満たす。

 

ホワイトチョコの味だろうか、と思って同居人に尋ねると、まさかのチーズケーキ味だった。

私の舌はとことん紛い物だし、視覚からの情報に頼りすぎているような気がする。

 

それでも単純な脳みそを持っているから、美味しければ何だっていいか、と済ませてしまうのだけれど。

 

静かな静かな一日。

糖分に忘れていた眠気を思い出しながら、窓の外、ゆっくりと日は沈んでいくのだった。