食べ物と私

食べます。

サンリオ好きに憧れて

久しぶりに一仕事終えた日。

一つのことに熱意を注ぐとその他のことが疎かになってしまうため、例の如く今日もまともなご飯を食べていない。

 

体に良くないなと思いつつ、それでも仕事をやり遂げた達成感で心の方は元気だった。

どちらかというと大切にしたいのは心なので、まぁいいかと思い直す。

 

夜の11時。今日は正真正銘のご褒美にと、あるとっておきを用意していた。

私のお気に入り、ファミリーマートのスフレプリンから新しく出ていた、カラメル味である。

 

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かわいいポムポムプリンが印刷されている、おそらく期間限定の味だ。

カップの側面にもキャラクター達がいて、何だかそれだけで買ってしまいたくなる。

 

サンリオのキャラクターの中に、特に推しはいない。

小さい頃は九州にあるハーモニーランドへよく連れて行ってもらったものだが、その頃はかろうじてシナモンが好きだった程度だ。

 

何となく流行りにつられて前髪につける二つセットのピンも買ってみたいな、と思いつつ、既にその流行りは廃れつつある。

 

ディズニープリンセスも同じだ。

どれも同じように好きだし、だから推しはいない。

小さい頃はシンデレラとアリスが好きだったが、好きなのはお話である。

ディズニーランドも楽しいが、特別好きなキャラクターがいればきっともっと楽しいのに、と思ってしまう。

 

かわいいキャラクターをあまり好きになれないままでいたからだろう、私の使っているものはだいたい無地のものが多いし、それをつまらなく感じてしまう。

筆箱だって本当は好きなキャラクターのものであればもっと楽しかっただろうと思うのだ。

もちろん、今のマグロとツナ缶の柄の筆箱も気に入ってはいるのだが。

 

きっとポムポムプリン好きの人なら食べた後のカップまで洗って持っておくんだろうな、と思いつつ、雑にシールを剥がして蓋を開ける。

どれだけ憧れたって、今私が欲しているのは中身なのだ。

 

プラスチックのスプーンで掬って、一気に一口。

ふわふわしたスフレと、ほろ苦いカラメルソース、あっさりしたプリンと、その間に挟まるねっとりとした……何だろうか?

とにかく少し甘みの強い、上品なカラメルの味がした。

 

プリンのカラメルは小さい頃から好きで、それを甘さのせいだと思っていた。

しかし、友達にカラメルが苦くて苦手という人が現れて、私の価値観は一変してしまった。

確かによく味わってみれば、プリンの方が甘くて、カラメルは苦い。

小さい頃から味音痴なのは変わらないらしい。

 

結構なボリュームのデザートをペロリと平らげる。

寒い夜。かわいいポムポムプリンは役目を終えて、私を見ていた。