食べ物と私

食べます。

プリクラとお酒と

月に一度の頻度で会っている友人i。

今日も人の多い街に出て、彼女とどうにか合流した。

美容院帰りの彼女の髪は短く切り揃えられ、その黒髪がスタイリッシュな彼女の骨格によく似合っていた。

 

まずは目的としていたプリクラを撮りに向かう。

高校生の時は誰かと遊ぶ時は必ず「とりあえず」ということでプリクラを撮っていたものだが、いつ頃かを境にめっきり撮らなくなってしまった。

多分「とりあえず」がお酒に変わっていったのだと思う。

 

プリクラを撮ろうというのは友人iからの申し出だった。

なんでも、友達のプリクラを見て「いいな」と思ったらしい。

それで何故か彼女の中で証明写真かプリクラを撮りたいという結論になり、じゃあ安いプリクラで証明写真のポーズをしようという話になったのだ。

 

証明写真の選択肢が出てくるあたり彼女らしいが、何はともあれ、そのふざけたプリクラの相手に私を選んでくれたことは、どこか嬉しく感じる。

 

近所で卒業式があったのだろう。華やかな制服姿をした女子高生が卒業証書を手にプリクラの機械から出てくる中、私と友達は証明写真のポーズでプリクラを撮った。

 

ケラケラ笑いながら落書きも適当に済ませ、無事目的は達成。

日はまだ高かったが、高校時代の「とりあえず」が終わったので、今度は大人の「とりあえず」の時間だ。

 

途中、好きなアニメのポップアップショップで思わぬ散財をした彼女と金のない私が向かったのは、「サイゼリヤ」。

 

居酒屋も空いていないため、どうせなら金もかからないここで呑んでしまおうという魂胆である。

 

ジョッキとグラスで躊躇しつつ、ここから家に帰らなければいけないことも考えて、グラスビールを注文する。友人iは白ワインを注文。おつまみは一緒の小さなエビフライ。

友人iは小エビのサラダも頼み、テーブルの上は意図せずエビだらけとなってしまった。

 

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乾杯してからグビリとビールを流し込む。

歩いた後の喉にじわりとアルコールと苦味が沁みていく。

思いの外グラスが小さく、そして美味しく、この調子ならジョッキにすればよかったな、と思ったのはここだけの話だ。

 

エビフライは熱々だった記憶があるので、たっぷりソースをつけ、ビールを構えて一口。

サクサクとした軽い食感の奥、それでもきちんとエビを感じられる。

パクパクと食べ進められる、おつまみには最適な一品だ。

 

数分後には忘れてしまうようなたわいもない話を続けながら、グラスをそれぞれのペースで傾ける。

 

今日はお泊まり。まだ夜は始まってすらいない。

帰りにスーパーに寄って酒を買おうと、平日の真昼間からうわついた頭でそう話し合うのだった。