食べ物と私

食べます。

ずっこけた日のスターバックス

久々に何をやっても上手く行かない日が来た。

 

今日は健康診断だったはずなのに、行ってみれば何やらお祭り騒ぎ。

不思議に思いもう一度案内表を見てみたら、何と会場が違うではないか。

しかも受付時間にはもう間に合わないときている。

せっかくの電車賃、往復520円が無駄になり、がっかりと肩を落とす。

 

やろうと思っていたことは色々あったが、こうなれば全部撤退である。

そもそもコテンパンにやられた後はそんな気力もない。

急いで家に避難するに限るのだ。

上手くいかない日はとことん上手くいかないと、私は森絵都さんの『カラフル』から学んでいるのである。

 

しかし、電車を降りたところで惨めさに負けてしまい、自分への労わりとしてフラペチーノを買おうと、最寄りのスターバックスへと足を運んでみる。

 

本当は貰った1000円分のクーポン券で食べ物を買ってしまおうと思ったのだが、券はドリンクだけが対象とのこと。

ならばと2杯頼もうとしたら1杯までだと申し訳なさそうに言われた。

完全に卑しい人だ。恥ずかしい。

 

そんな失敗をはさみつつ買った、エスプレッソアフォガードフラペチーノ。

 

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前回スタバに足を運んだ時は、他のフラペチーノよりも高くて諦めたものだ。

 

ずるずると飲んでみれば、結構しっかりめに溶けた氷と、苦いエスプレッソがいい具合に舌で溶けていく。

他のフラペチーノより甘さ控えめで、これは美味しい。

値段が高いのがネックだが、一気に私のお気に入りとなった。

 

しかし、今日は風が強い。

ビュウビュウと通り過ぎていく風に、春に新調した緑色のコートをしっかり抱え込み、歩いていく。

そうするうちに寒くなってきてしまい、少し悲しさを増してしまう。

 

段々と冷たさで味の分からなくなってきた口の中。

おまけに風のせいか、今日は花粉が凄そうで鼻がむずむずする。

頭の中では『なにやってもうまくいかない』が嘲笑うようにループし続けていた。

 

あーあ、もうちょっと案内表を確認しておけば。

気付くのが電車に乗る前だったら。

 

そんなタラレバを考えてみたって、もうどうしようもないことは分かっているのだけど。

 

ズズ、と家にたどり着くまでに飲み終えてしまった空の容器を見る。

こんな日だ。もちろんカップには何も書いてもらえていない。歩調を早める。

 

嫌なことは続くもの。

そしてそれを断ち切るには、やっぱり睡眠が一番なのだ。

まだ午後12時を回ったばかり。

でもそんなことは知らない。

帰ったらさっさと寝てしまおう。

 

そんなことを考えつつ、私はポケットの鍵を探るのだった。