友達二人と会う。
この二人に会うのは約一か月振りだった。
私の周りでは珍しく、社会で働いている人だった。
珍しく私の案内で事が進んでいく。
前日に電話で決めたカフェへと足を運ぶ。人気店なのだろう、開店前なのに私たち以外にも人が並んでいた。
小さくて可愛らしい入り口から店に入ると、店内は一面がドライフラワーで埋め尽くされていた。
「承認欲にレイプされ死んだ花をぶら下げている女」なんて歌詞がちょっと頭をよぎる。
そんなことは言えないし、ちょっと珍しいので私も写真を取っておく。
花たちはテーブルの下にも鎮座していた。
店内は女の子だらけで、なぜか居心地が悪かった。
そこまで楽しくない話をぽつぽつと語りながら、一番安いランチだったハンバーグを頼む。
そういえばこの三人で遊んだ時、前もハンバーグを食べたような。
分厚いハンバーグ。
甘さの強いデミグラスソースがよく合っていて満足感がある。
ポテトがなんだかとっても甘くて印象的だった。
人の多いお店。長居するのは憚られて、さっさと食べて退散してしまう。
一人が占いに行きたいと言ったから、その辺にあった占いに行ってみる。
私のオーラは薄い青らしい。どういう意味かは忘れた。
今は迷う時期だと。でも運気はいいので色々やってみたらいいらしい。
ちなみに恋愛に関しては現在のカードに破滅が出て笑ってしまった。
20分の鑑定をそれぞれ終え、しばらくその話題で持ちきりになる。
そこまでは良かったけど、占いの話を終えてしまえば話題のない沈黙が辛い。
思わず話すつもりのなかった、ちょっといろんな話を出してみる。
なんとなく身を削っているような気持になってしまう自分がいた。
地元の友達と一緒に居ることが楽、と言う感覚が、私も分からないわけではない。
実際、こんなことをしていてもあの二人と一緒に居て楽だとは思う。
でもそれは、リラックスできる方の楽、ではなくて、扱い方が分かっている、どんな顔を見せればいいかが分かっているという意味での楽、だ。
求められていることが分かっているのは楽だ。
消費されていく感覚に私も摩耗するけれど、きっとそんなの皆同じだとも思うから。
すり減らし合って何になるのだろうと思うけど、きっと誰もが、私も、このぬるま湯のようななれ合いを辞められない。
どれだけ何かを変えようと、友達の目に映る私は根底が小学生のままなのだから。
足の引っ張り合いとも考えられるのかもしれない。
傷のなめ合いとか、そんなニュアンス。
それともこんな言葉が出て来てしまうのは、私がやはり私だからなのだろうか。