休日、晴天の中、四角い箱で話を聞く。
そういう用事だった。当然みんなげんなりしている。
休日に拘束されることほど億劫なことはないし、その振替日がないことほど訝しみを感じることもない。
というわけで、休日の16時。
同じく不満を募らせた同期2人と一緒にミニストップへ向かう。
私の大好きな女の子2人だ。
夏にはまだ早いのに、酷く暑い。
3人で店員さんに申し訳なく思いつつも、店内調理のハロハロを頼む。
練乳いちご。めちゃめちゃに美味しいやつだ。
私はこの味を知っている。
なぜ知っているかというと、多分、1年前の結構重要な決断をした日に、これを1人で食べたからだ。
このブログを書き始める少し前。
ある大きな決断をして、その報告をしに行って、その後で私はこの練乳いちごを食べたのだ。
練乳の味が強くて、冷たくて、イチゴが酸っぱくて、ちょっと安心したことを覚えている。
でも、今年はちょっと様子が違うようで。
青空の下、3つのハロハロ。なんだか不思議な気分だった。
ちょっと嬉しかったのだと思う。
そのまま私達は3人で、歩きながらハロハロを食べた。
あの時と同じ味でとってもとっても美味しかったけど、あの時の安堵は楽しさに変わっていて。
1年前を正当化するつもりは毛頭ない。けど、今が今でよかったのかもしれないとは思った。
でも、休日に私達が味わった鬱憤はこれだけでは到底収まらなかった。
適当に歩いて数時間暇を持て余す。
ちなみにこの時、サーティワンまで食べてしまったのは内緒だ。
それから私達は鳥貴族に入り、お酒を頼んだ。
このメンバーで飲むのは初めてだし、そもそも一緒に呑むのも一年ぶりのことだろうか。
慣れた手つきで思い思いのメニューを頼んでいく彼女達。
遠慮した方が気を使わせるような気がしたので、私も好きなものを頼んでいく。
誰かと飲むのは随分久しぶりだった。
ちょっと薄汚れたコロナ対策のクリアシートを上手く避け、乾杯、とビールグラスを合わせる。
そこからの時間は本当に、本当にあっという間だった。
ちょっと上手く行かない話、将来の話、自分の身に起きた嫌な話、同期のあの子の困った話。
流されて、浮かされて、酔わされて。
アルコールは到底酔える量ではなかったが、なんだかふわふわとした気持ちだった。
女の子2人も楽しそうにパクパクと料理を食べながら話を続ける。
おかしいことをおかしいと言って、常人の感覚を確かめ合って、ちょっと絶望して。
それでも前を向こうとする2人はものすごく可愛らしかったし、私達はどこまでも健康だった。
結局11時になっていることに気が付き、ぎょっとして店を出た。
ひたすらに楽しいだけなのは久しぶりだった。
1人、地下鉄でイヤホンを耳に差す。
またこんな日が来たら、いいのかもしれない。