食べ物と私

食べます。

死なないためのアップルパイ

送られて来たリンゴ六つを腐らせないように、アップルパイを作った。

特に食べたかったわけじゃないけど、リンゴを腐らせたいわけでもなかったから。

 

きちんと冷凍のパイ生地を買って、艶出しは面倒だったからやめたくせに、わざわざコンビニへバニラアイスを買いに行った。

本当は爽が良かったけど、スーパーカップしかなくて。

 

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美味しかったとは思う。けど、大した感動もなく平らげてしまっていた。

リンゴとパイとバニラアイスの味がした。

 

近況はというと、色々と間近である。

間近なのに、気力が湧かなくてアップルパイを焼いている。

 

「期待している」と、父から言われている。

最初は反射的にカチンときてしまったが、最近は根本的に父が私に何をどう期待しているのか、私が理解出来ていないことに気づいた。

 

親になったことがないから、子に託す気持ちが分からない。

 

いい会社に入ればいいのだろうか。

安定して給料を稼げばいいのだろうか。

いいパートナーを見つければいいのだろうか。

五体満足で頭の良い子供を産めばいいのだろうか。

とどのつまり、何かしらの手段でお金を生めばいいのだろうか。

 

そしてもしそれが叶ったとして、父は我が物顔で私のことを周囲に自慢するのだろうか。

私と父は全く別の人間だというのに。

 

ここ数年、特に色々なことが分からなくなっているように思う。いや、それは今に始まった事ではないのだが。

 

生きる必要があると思う。

死んだら良くないことは何となく学んできた。

けれど、此処に居たってまるっきりやりたいことが見つからない。もっと正確に言えば、お金を貰えるとしてもしたくないことの方がこの世には多い。

 

けれど、生きるためにはお金が必要で、私は何の生産性もないまま、精神に疲労だけを残して働かなければならないのだろう。

他人事みたいだ。他人事であったらいいのに。

 

じゃあその辺の御託を取り払って、やりたいことだけやってみたらどうだろう。

でも、自分の全てをぶつけて生きるのは怖い。それを否定されたら、もう私に何も残らない。

私の望む人生を生きるためには、私の最も大事なものを曝け出し、傷つく必要があるのだと思う。分かっているが、怖い。とどのつまり勇気がない。

 

勇気を出さなきゃいけないと思うけど、その勇気は甘えや我儘に見えて、でもそう見えるのは私の防衛本能かもしれなくて。

 

ぐるぐる、ぐるぐる渦巻いている。

何も分からないのだ。二十三にもなって。

 

きっとこの先もっと分からなくなると思う。

私は他の人の影響を受けやすいし、判断能力がない上に臆病だ。

これでいいという声も、それじゃダメだという声も、きっと私がどんな選択をしたって両方聴こえてしまって、多分、何も見えなくなる。

 

こんなに色々なことを考えるくらいなら、きっと死んだ方が早いのだと。

私はずっとそう思っている。